Sharnbrook Windmill

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約1年半前、弊ブログで『ECHONET Liteは国際的にデファクト標準になり得るか?』というタイトルの話題を提供させていただきました。意地の悪いタイトルをつけましたが、「デファクトになるのは非常に難しいと思うが、困難を承知の上でぜひ頑張って欲しい」というつもりで、ECHONET Lite普及促進に向けて、以下のような提言をさせていただきました:

(0)  まず、「絵に描いた餅」ではなく、ECHONET Lite準拠のHEMSおよび家電機器を用意する

(1) CESやDistribuTech等の海外のHEMS関連展示会やカンファレンスに出展し、セミナー/デモでECHONET Liteの良さをアピールする

(2) 例えば、日本企業が関与している、中国の生態城等に「ECHONET Liteハウス」を持ち込んで、実際に暮らし、体験してもらう

(3) 海外のベンダーにECHONET Lite仕様の製品を作ってもらうため、仕様書やガイドを英語版だけでなく、その他主要な欧米家電メーカー/HEMSメーカーの存在する国の言語に翻訳・提供する

(4) ECHONETのトレーニングセンター用のカリキュラムを作成し、そこで教える教材マニュアルだけでなく、教える側のトレーナー向けのマニュアルも、当該国の言語に翻訳・提供する

(5) ECHONET Lite準拠製品の認定マニュアルも同様に、各国語に翻訳・提供する

(6) ECHONETコンソーシアム(あるいは、その教育代行機関)は、国内外のECHONET製品認定組織や、ECHONETトレーニングセンター向けの教育コースを用意し、各国語に翻訳して、教育を行い、最終試験にパスした企業に、ECHONET製品認定資格やECHONETトレーニングセンター運営資格を与える

そして、種を蒔いても[=(0)]、水をやり[=(3)~(6)]、光を与え[=(1)、(2)]なければ、どんなに良い種でも育たない -と指摘させていただきました。

さて、現在ECHONET Liteはどうなっているでしょうか? 上記(0)~(6)の現状を調べてみました。

(0)ですが、ECHONETコンソーシアムのホームページ(ECHONET Lite規格 認証済み機器リスト)を見ると、8月末現在で70製品が登録されています。昨年7月時点ではたった6件でしたので、出だしは好調の部類に入るでしょうか?

(1)に関しては、ECHONETコンソーシアムのホームページ(活動内容)によると、海外での開催ではないものの、

 2012年2月:慶應大学SFC研究所がECHONETコンソーシアム共催で「HEMSにおけるインターフェイス公知な標準化実現シンポジウム」を開催し、ECHONET Liteそのものをアピール。

 2012年9月:神奈川工科大学が、「ECHONET Lite認証センター研究シンポジウム」を開催し、ECHONET Lite規格の機器開発や普及に不可欠な、機器認証支援・相互接続環境を11月仮オープンに向けて構築中であることが発表されました。このセンターは、『HEMS(ECHONET Lite)認証支援センター』として2012年11月21日に正式にオープンしています。

 2013年6月:ECHONETコンソーシアム主催で「ECHONET Lite普及促進シンポジウム」が開かれ、マレーシアから文部科学副大臣とマレーシア国立インターネット研究センター所長が招待講演を行っていて、水面下でマレーシアを海外進出の足掛かりとしていそうなことがうかがえます。

(2)に関しては、インターネットで調査した限り、そのような動きは見つかりませんでした。
このブログをご覧いただいている読者諸兄で何か関連する動きをご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えいただけると幸いです。

(3)に関して、まずは英語版ですが、「ECHONET Lite規格書 Ver1.01(英語版)」が2012年3月付けでECHONETコンソーシアムから公開されています。

(4)に関しては、経済産業省の「省エネルギー等普及基盤構築支援調査事業」に係る委託先としてエネルギー総合工学研究所の『HEMSインターフェイス(ECHONET-Lite規格)の普及支援調査事業』が採択され、公開入札で

 「ECHONET Liteの国際標準化の促進支援等業務」には、慶応義塾大学SFC研究所、
 「海外ECHONET Lite認証支援センター設立支援業務」には、マレーシアのUniversiti Sains Malaysia

が採択されて、ECHONET Liteの海外普及促進に向けて動き出しています。

(5)に関しては、「HEMS(ECHONET Lite)認証支援センター」のホームページを見ると、各部それぞれ日本語と英語での説明がなされており、詳細部分を見ようとすると、『現在 準備中です。under construction.』となっている部分もありますが、順次整備されていくものと期待されます。

(6)は、実はKNX協会の事業展開(世界戦略)を参考にして提言したものですが、ECHINETコンソーシアムがどのように考えているのか、ホームページでの情報からは、読み取れませんでした。

以上、2年に満たない短期間(2011年12月21日一般公開)の内に展開されてきたECHONET Lite普及促進の動きは、目覚ましいものがあります。
これらは、関係者各位の大変な努力の賜物であり、それに水を差すつもりは毛頭ないのですが、ここで、再度気を引き締め、普及促進に向けた戦略に間違いはないか見つめ直していただくことも必要かと思い、今回のブログ『KNX、日本上陸に向けての動き』で、KNXについてご紹介することにしました。

前置きが非常に長くなりましたが、ここからが、本文です。ご紹介に当たっては、KNX協会のホームページの情報、および、個人的に調査・収集した情報が含まれていますが、例によって、独自の解釈および補足/蛇足/推測が混じっているかもしれないことをご承知おきください。

1.KNXとは

KNXは、過去十数年欧州で培われてきた、設備系オープンネットワーク標準のEIB (European Installation Bus)、ホームオートメーション標準のEHS (European Home System) 、およびフランスで生まれたHVACネットワーク標準のBatiBUSが集大成されたもので、ホームオートメーションからビルオートメーションまでをカバーする標準である。1999年5月、上記の3つの標準策定機関が合併してベルギーに営利団体KNX協会が発足、2002年にKNXとして公開された。
KNXは、ホームオートメーション/ビルオートメーション用の、ネットワーク層とアプリケーション層にまたがる規格となっている。
※ 日本では、用途からHEMSとBEMSに分けられているが、KNXはHBES(Home and Building Electronic Systems)と呼ばれている。

EIB のプロトコルスタックを基本として、物理層、構成モード、アプリケーション層などに BatiBUS や EHS からの機能拡張が施されており、現在では以下の通り、世界各国の標準に認定されているとともに、国際標準にもなっている。
以下に、標準化に係わるKNXの足跡を示す。

•  CENELEC :2003年、KNXの通信プロトコルとツイストペア(TP)及びPLCの伝送メディアを欧州標準EN 50090( European standard for electrical installations for home and building )に認定
※無線(RF)およびIP伝送メディアに関しては、2006年に追加認定されている

• ANSI/ASHRAE :2005年、KNXとBAC netのmappingを米国標準ANSI / ASHRAE 135に認定

• CEN :2006年、KNXのビルオートメーション制御システムを欧州標準EN 13321-1(Product and system requirements )およびEN13321-2 (KNXnet/IP Communication) として認定

•  ISO/IEC :KNXのプロトコルと伝送メディアを2006年、国際標準ISO / IEC 14543-3 (Worldwide standard for home and building electronic systems)に認定

•  中国国家標準化管理委員会 (National Standardization Management Committee of the People Republic of China) :2007年7月、KNXを中国の国家標準化指導性技術書GB/Z 20965に認定。その後、 ISO/IEC 14543-3の中国語翻訳版完了に引き続き、KNXnet/IP 仕様書も中国語に翻訳され、2013年4月、中国国家標準化管理委員会は、KNXを勧奨国家標準GB/T 20965-2013に昇格させた。

※GB:強制国家標準、GB/T:勧奨国家標準、GB/Z:国家標準化指導性技術書

出典:KNX Standards

2.KNXの特徴

以下にKNXの特徴を列挙する。

 種々の伝送メディアで利用可能

• ツイストペアケーブル(BatiBUS と EIB Instabus を継承)
• 電力線ネットワーク(EIB と EHS を継承。X10と類似)
• 無線
• 赤外線
• イーサネット(EIBnet/IP または KNXnet/IP とも呼ぶ)

 家庭用のAV機器制御から、照明設備・シャッターなどの制御、空調機器の監視制御、水管理システム、エネルギー管理システム、計量システムの構築に至るまで利用可能

 小型一般住宅(小規模のホームオートメーション)から、オフィスビル、ホテル、カンファレンスセンター、病院、学校、百貨店、倉庫、空港、工場・インテリジェントビルのオートメーションにまで適用可能

 新築ばかりでなく、既築の家屋・ビルの自動化に利用可能

 KNXの構成を定義する手段として、中規模以下のシステム向けのEモード(簡易設置モード)と、ETS(Engineering Tool Software)を使ってKNX認定プランナー/コントラクターが構成を行うSモード(システム設置モード)がある

 KNXのシステムは、別のビルオートメーションの標準であるBACnet(ISO 16484-5)のオブジェクトとしてマッピングすることで、BACnetのシステムと連携したり、KNXベンダーの提供するゲートウェイを介して、その他のビルオートメーションシステムやマルチメディア・ネットワークなどと接続したりできる(他の類似標準との共存が図られている)

 メーカーに依存しない設計および試験を行うためのツールETSが、各国語版(15カ国語)で提供されている

出典:KNX Standards 及びABI Research 「Home Energy Management Systems」

3.KNX協会の特徴

以下にKNX協会の特徴を列挙する。

 KNX協会は、EIBA(設備系オープンネットワーク標準:EIBの策定機関)、EHSA(ホームオートメーション標準:EHSの策定機関)、およびBCI(HVACネットワーク標準:BatiBUSの策定機関BatiBUS Club International)が1995年5月合併して出来上がった。

 KNX協会は、ベルギーに本拠を置き、世界各国にあるKNX national groupsを通じて、KNXを普及させ、協会員のメンバシップ費、KNX技術及びKNXソフトウェアツールのライセンス費、およびKNX製品の登録/認定費用から収入を得る営利企業である。

  KNX national groupは、2013年8月末現在全世界で36か国に存在する。以下にKNX National Group一覧表を示す (拡大表示

  KNXは、驚異的なスピードで全世界に広まっている。

平成24年7月調査時点のKNXホームページの記述では、KNX協会のメンバは、31カ国、260社(日本ではダイキンとパナソニックの2社)となっていたが、平成25年8月時点では、KNX協会メンバは34カ国、318社(日本では、ダイキン、パナソニックと富士通ジェネラルの3社、米国メンバもTexas Instruments社など11社)に増えている。
※ 米国や日本にはKNX national Groupの拠点はないが、KNX製品ベンダーがメンバとして存在している。

•  平成24年7月調査時点のKNXホームページの記述では、KNX協会のトレーニングセンター150以上となっていたが、平成25年8月時点では、49カ国、261施設に増えている。

•  KNXトレーニングセンターでKNXに関する教育を受け試験に合格した者はKNXパートナーと呼ばれる。平成24年7月調査時点のKNXホームページの記述では、KNX協会のパートナーは、112カ国、29612人となっていたが、平成25年8月時点では、121カ国、37806人に増えている。
このうち、技術系大学などのサイエンティフィックパートナーは、60拠点から27カ国96拠点に増えている。

  世界各国にあるKNX national groupで認定され、KNXのロゴが付いたすべての製品間での相互運用性およびシステムの互換性が保証されている。

  KNX national groupでは、ISO9001を取得したメーカーのみにしか、KNXロゴのついた製品提供を許可していない。ISO9001を取得しているメーカーにはKNXツール提供価格を安くする等を通じて、間接的にKNXロゴのついた製品の品質向上図っている。

  KNX は特定のハードウェアプラットフォームに依存した設計になっていないので、8ビットのマイクロコントローラやパーソナルコンピュータで実装することができる。

  KNX協会のメンバは実装のためのリソースもロイヤリティフリーで利用できる。

出典:KNX Standards 及びABI Research 「Home Energy Management Systems 」

4.KNXの用途

以下に、住宅向け及びビル向けにKNXがどのような用途で使われているかを表で示す。

出典:KNX Residential Buildings

出典:KNX Commercial Buildings

5.KNXのアジアにおけるプレゼンス

以下に、時系列でアジアにおけるKNXに関連したアクティビティを列挙する。

2003年、韓国のAjou Universityでは、KNXベースのホームオートメーションシステムと韓国のJung製品を使ったホームオートメーションの実証試験を行っている (出典:KNX Journal 2006-2)

2003年、ロシアにKNX National Group Russiaを設立され、KNX標準の普及に尽力してきた結果、2007年時点でモスクワにKNXトレーニングセンターも2箇所できている (出典:KNX Journal 2007-1)

2006年5月28-30、北京にて第2回Euro – China Workshop 2006が開催され、KNXベースのEN50090欧州標準とビルオートメーションシステムについて議論された (出典:KNX Journal 2006-2)

2007年3月、北京にてUPnP Forumが開催され、ISO/IEC 14543の国際標準に基づいたKNXのホームオートメーションシステムに関心が寄せられた (出典:KNX Journal 2007-2)

2007年5月、KNXベースの製品開発に関する強い要望により、KNXの設計&試験ツールであるETSの中国語版ETS3.0eをリリース(出典:KNX Journal 2007-2)

2007年6月、KNXシベリア開設 (出典:KNX Journal 2007-2)

2007年、韓国Hanyang UniversityのUbiquitous Network System Laboratoryでは、ホームオートメーションの研究でKNXを採用。下位の通信プロトコルには802.15.4あるいはZigBeeを用いた実験を検討中 (出典:KNX Journal 2007-2)

• 2007年11月、KNXが中国のホーム/ビルオートメーションの国家標準化指導性技術書(GB/Z 20965)に認定され、KNX協会に所属する中国の企業が出てきた (出典:KNX Journal 2008-1)

• 2008年モスクワで開催されるHi-Tech House & Building2008で、KNXロシアはKNX協会と協賛で大規模なデモを行い、商業ビルなど大型施設へのKNX適用促進を図る (出典:KNX Journal 2008-2)

2008年7月、KNXチャイナ設立(出典:KNXjournal 2009-1)

2008年9月、ABB i-bus® KNX intelligent installation systemを採用したシンガポールのビル2棟が2008年のKNX awardにノミネートされた。 ( 出典:ABB Singapore)

2009年4月、150番目のKNX協会のメンバとしてダイキン工業が参加(出典:KNX Journal 2009-2)

2010年、Joong Ang Control Co., Ltd.が韓国で最初のKNXメンバとして登録される

2010年、ABBがインド国内企業にKNX技術を広めるため、KNXトレーニングセンター開設。ABBは2004年からインド国内でKNX関連プロジェクトを手がけており、2010年までに120以上のプロジェクトでKNXが採用されている。(出典:KNX Journal 2010-1)

• 韓国の2009 World Standards Day Ceremonyで、KNX標準を採用したSiemens Ltd. Seoulに外資系企業としては初めてPresident’s Award for national standardizationが授与された。(出典:KNX Journal 2010-1)

 KNXを採用したモスクワのインテリジェントビル:Moscow International Business Centerに対してKNX Award 2010 (Category International – Europe)が授与された (出典:KNX Journal 2010-2)

 KNXを採用したインドの空港ビル:Delhi International Airportに対してKNX Award 2010 (Category International – Asia)が授与された (出典:KNX Journal 2010-2)

 KNXを採用しホームオートメーションを実現したソウル市内のマンション群18棟に対してKNX Award 2010 (Category International – Asia)が授与された (出典:KNX Journal 2010-2)

 2011年1月、ソウルで第1回Korean Forum of KNX Technology and Application for Home and Building Controlを開催。 (出典:Proyectos y noticias KNX)

 2011年6月、シンガポールで第1回Singapore Forum of KNX Technology and Application for Home and Building Controlが開催された。 (出典:KNX International news)

 2011年11月、北京にて、KNXチャイナとSAC(中国国家標準化管理委員会)協賛で第1回第1回KNX Forumが開催される。(出典:KNX Journal 2011-1)

 2011年、4年間中東でKNXの普及に携わってきたArmiti Trading L.L.C.がドバイで2番目のKNXトレーニングセンターに認定された。(出典:KNX Journal 2011-1)

 2011年、パナソニックがKNX協会のメンバとなった。(出典:KNX Journal 2011-2)

 2011年11月、KNX協会は台湾で初めてTaiwanese Forum of KNX Technology and Application for Home and Building Controlを開催。 (出典: KNX HP-News)

 アジアでのKNX普及に向けてKNXチューター養成コースが開催され、中国から20名、マレーシアから5名、韓国から4名、シンガポールから3名が参加した。出典:KNX Journal 2012-1)

 2012年2月、韓国にKNX National Group設立。(出典: KNX HP-News)

 シンガポールでのKNX National Group 立ち上げが行われた。(出典:KNX Journal 2012-1)

 2012年4月25日、インドにアジアで3番目のKNX National Groupが設立された。(出典:KNX Journal 2012-2)

 台湾でのKNX National Group 立ち上げが行われた。(出典:KNX Journal 2012-2)

 インドと中国でKNXチューター養成コースが開催され、30名の参加があった。(出典:KNX Journal 2012-2)

 富士通ジェネラルが300番目のKNXメンバとなった。(出典:KNX Journal 2013-1)

 2012年8月28日、シンガポールで2回目のSingapore Forum of KNX Technology and Applicationが開催された。(出典:KNX Journal 2013-1)

 2013年2月26日、テュフラインランドの協賛により、横浜市のテュフラインランド テクノロジーセンターにて第1回KNXフォーラム in Japanが開催された。

 2013年10月24日、パシフィコ横浜にて、「KNX National Group Japan Foundation」設立に向けた「Kick-off meeting」開催予定

この図は、平成24年2月24日、JSCA国際標準化WG内に設けられたスマートハウス標準化検討から公開された「中間とりまとめ(案)」に掲載されていたもので、ご覧になった方も多いと思います。
KNX協会のホームページを見れば、KNX協会員でなくても結構情報が取れるのですが、日本語によるKNXの情報はインターネット上でもなかなか見当たりません。そこで、上図にあるように、「KNXは、主にビル管理システム用に欧州で使われている標準で、最近は中国にも進出しているようだ」という情報を鵜呑みにしていた方や、「少なくとも、当面、ECHONET Lite標準とは、どこでもバッティングしないだろう」と思われていた方は、最後にご紹介した、過去10年にわたるKNXのアジアでのプレゼンスに驚かれたかもしれません。また、昨年の7月以降だけでも、KNX普及の拠点となるKNX National Groupがインド、韓国、台湾の3カ国に設立され、シンガポールも、まだKNXホームページのNaional sitesに登録されていないものの、すでに組織されているようです。そして、次は日本に照準を定めて活動を開始しているKNX協会の勢いに、戦慄を覚えた方がいらっしゃるかもしれません。

今回ご紹介した情報の大半は昨年7月ごろ調査したものですが、ECHONET Lite普及促進に向けて、国を挙げて?動こうとしている時に、このようなKNXの情報をお伝えするのは、ショックが大きすぎると思い、ブログに載せるのは自粛させていただきました。

今回、昨年から約1年間のKNXの勢力拡大の動きも加えてご紹介することにしたのは、本文に入る前にも言いましたが、決してECHONET Lite普及促進の動きに水を差すつもりではなく、競合と呼ばれる標準の最新動向を正しく把握した上で、再度、気を引き締め、普及促進に向けた戦略に間違いはないか見つめ直していただくことも必要かと思ったからです。

『~百戦殆うからず』の故事を引き合いに出すまでもなく、『我がECHONET Lite』の普及促進活動だけを見て満足するのではなく、競合相手の姿を正しくとらえてこそ、正しい普及戦略が立てられるものと思います。
第2次世界大戦時の、大本営発表や、「鬼畜米英」のマインドコントロールの下、圧倒的な米国の戦力を正しく認識せずに、竹やりででも戦おうとした愚は避けなければなりません。

終わり