日本でもICT(情報通信技術)という言葉が定着してきました。
弾道計算という軍事目的を含めた科学技術計算ニーズに応えるべく世の中に登場したコンピュータは、その後事務計算にも力を発揮し社会貢献してきましたが、更にインターネットのような通信技術との融合でスタンドアローンのシステムから通信ネットワークで繋がった分散協調システムの時代に入っています。
一方、日本の電力業界を見渡すと、第二次大戦後、規模の経済を前提とした発送配電一環の電力供給体制がとられてきました。電源の大容量化・送電線の高電圧化といった大規模大型集中化により世界一安定・安全・安心な電力を供給してきたことが、日本の高度経済成長を支えてきたことは間違いありません。
ただし、21世紀に入り地球温暖化対策や電力自由化を背景に風力・太陽光発電や燃料電池等の小規模な分散型電源の開発普及が見込まれています。そこでは、「電力会社が電力供給し需要家がその電気を使う」といった、川上から川下に流れる従来の大規模・複雑化した電力ネットワークに代わって、川下で配電網に大量になだれ込む太陽光発電などを如何にうまく制御して、従来と変わらない電力品質を保つかが重要になってきます。
つまり、マイクログリッドと呼ばれる従来よりも狭い範囲での電気の『地産地消』を基本として、過不足分をマイクログリッド間で如何に経済融通し、全体最適を実現していくか?
スマートグリッドという言葉の定義はいろいろありますが、私は、上記がスマートグリッドの目指すところではないかと思っています。スマートグリッドの世界では、電力ネットワークに参加する送・変・配電設備それぞれがスマート化(すなわち、コンピュータ化)した結果、スマートグリッドのアーキテクチャは、ICT業界で言われる次世代センサーネットワーク(NGN)同様のHW/SW通信インフラが利用できるようになってきています。
この、スマートグリッドという、新たなコンピュータと情報通信と電力の流れの合流地点では、今後もさまざまな動きが出てくるものと考えられます。
そこで、海外の動きをいち早く調査・分析し、日本の現状と照らし合わせて今何が必要か提言していくことを当面の使命として、インターテックリサーチ株式会社を設立いたしました。会社名は、少々長いですが、インターネットなどを利用して海外(インターナショナル)の技術情報(テクノロジー)を調査・分析(リサーチ)し、ご提供していく - という考えに基づいています。
ロゴに採用した歯車のシルエットは、扱う情報が「技術」情報であるという意味の他に、弊社がクライアント企業様の歯車の1つとして、ビジネス推進に役立つことができればという願望を表しています。
スマートグリッドばかりでなく、あらゆる分野に浸透していくICTのトレンドをいち早く把握し、戦略的価値の高い情報をクライアント企業様に提供することをビジョンとして活動してまいりますので、今後とも、よろしくお願いいたします。
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