Sunrise, Lonsdale
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今回は、METERING INTERNATIONAL Issue 3 2009から、『DLMS / COSEM for smart metering』の記事を紹介します。
WIKIPEDIAによると:
DLMS(Device Language Message Specification、デバイス言語メッセージ仕様)は、DLMSユーザ協会(以降、DLMS-UA)で開発・保守されている標準セットで、国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)の技術委員会TC13のワーキンググループWG14が、IEC62056の一連の標準への組み込みを推挙しているものである。
一方、COSEM (Companion Specification for Energy Metering:エネルギー計測関連仕様)は、DLMSプロトコルのトランスポートおよびアプリケーションレイヤーの一連の仕様から構成されている。
IEC TC13 WG 14 で定義されたDLMSの仕様は、”Electricity metering – Data exchange for meter reading, tariff and load control.” (電力量計測にかかわる、データ交換、検針、料金表および負荷制御)の仕様と呼ばれ、以下の7つから構成されている:
•IEC 62056-21: (光ケーブルやカレントループの)ローカルポートを通じてどのようにCOSEMを使って直接ローカルデータ交換するかを記述
•IEC 62056-42: コネクション型非同期通信の物理層のサービスと手順を記述
•IEC 62056-46: HDLCプロトコルを使用したデータリンク層の記述
•IEC 62056-47: Ipv4ネットワークのCOSEMトランスポート層の記述
•IEC 62056-53: COSEMアプリケーション層の記述
•IEC 62056-61: オブジェクト識別システム(OBIS)の記述
•IEC 62056-62: インタフェース・クラスの記述
では、本題の、METERING INTERNATIONALの記事:「スマートメータメータリング向けDLMS/COSEM」についてご紹介しましょう。
DLMS / COSEM 規格セット(IEC 62056 / EN 13757- 1)は、電力会社の検針データ交換に広く用いられている国際規格である。DLMS-UAのメンバが年々世界中で増加していること、およびDLMS/COSEM準拠の電力計の台数の伸びが、それを如実に示している。
DLMS / COSEMの規格セットは、2つの実証済みの強力なコンセプトである、アプリケーションデータのオブジェクトモデルと、OSIモデルに基づいて開発されたので、広範なアプリケーションや通信メディアに摘要可能である。
この、明確かつ柔軟で、将来的にも使い続けることを可能としたアーキテクチャにより、DLMS / COSEMのスコープは、新たなアプリケーションや通信メディアが出現するごとに、これまでにも継続的に拡張され続けてきた。
当初は、業務用および産業用メーターをPSTNおよびGSMネットワーク経由で検針するために使われたが、現在では、GPRSやPLCネットワークを用いてデータ授受を行うためのスマートメータリング・プロジェクトの基礎となっている。電力会社、メーターメーカーおよびDLMS-UAは協力して、必要な拡張を行ってきた。
そのような拡張には、種々の電力会社の検針データだけでなく、顧客情報・負荷管理・負荷スイッチング・ファームウェアの更新・イベント管理データの交換や、エンド・ツー・エンドの暗号化によるデータ機密保護や新しい通信メディアのサポートが含まれる。
この幅広いスコープと柔軟性が、DLMS・COSEMをヨーロッパその他の国々でスマートメーター標準化作業の中心に位置づけられている。
2002年以来、DLMS-UAから電力メーターのデータ交換に関する規格制定に責任を持つIEC TC13 WG14へのリエゾンが派遣されている。その目的は、IEC62056のDLMS/COSEM規格セットの登録/保守と、標準化の事前作業遂行である。更に、DLMS-UAは、規格への適合性試験も担当している。IEC TC13およびCENELEC(欧州電気標準化委員会)の欧州メンバは、スマートメータリングの規格化に関するEC指令M/441との適合も考えなければならないので、DLMS-UAとCENELEC間でテクニカル・リエゾン・パートナーシップも結ばれた。また、欧州の規格 EN 13757-1が一部DLMS/COSEMをベースとしているため、電力量以外の公益事業のメーターデータ交換を規定するCEN TC 294ともリエゾンを持とうとしている。
去年DLMS-UAは、ZigBeeアライアンスともパートナーシップを結び、ZigBee無線ネットワーク越しのDLMS/COSEMのあり方を検討してきた。今年は、ESMIG:European Smart Metering Industry Groupともパートナーシップを結び、更なるDLMS/COSEM拡張のためのスマートメータリング規格開発の共同作業を実施する。
DLMS-UAは、すべての公益事業者のメーター、アプリケーション、通信メディアでの相互運用性を保障する柔軟なヨーロッパ標準アーキテクチャ開発をもくろむOPEN meter consortiumにも参加している。
DLMS-UAの現在のメンバー153社を調べてみると、日本の計器メーカーでは大崎電気工業が見受けられますが、電力計の大手製造業者である東芝や三菱電機が見当たりません。また、海外では、ABB、Elster、Itron、Landis+Gyrがメンバーであるのは当然として、EDFやENELといった電力会社もメンバーに入っています。逆に、スマートメーターで名を馳せているGE Energyがメンバーに入っていないのは意外でした。
それと、メーターの計測関連だけでも、ヨーロッパではこれだけ標準化団体があって、その間で調整がいるというのは、大変ですね。欧州計測機器指令(European Measuring Instruments Directive :MID)というのが発令されていて、IECもCENELECも、それに適合するように協調しているということのようです。
上記の記事の最後で言及されているOPEN meter consortiumというのは、OpenMeterのことだと思われますが、電力・ガス・水道・熱供給ネットワーク用のAMIのオープン規格を作ろう-というプロジェクトのようで、今年1月から6月までの作業結果の報告書がインターネット上にありました。これに関連して、2009年6月2~5日にクロアチアで開催されたOIMLセミナー「Smart Meters」の資料を見ると、上記のMETERING INTERNATIONALの記事も、このプロジェクトの作業結果に基づいたもののようです。全体像がわかりやすくまとまった図がありますので、掲載させていただきます。
ヨーロッパだけでも込み入っていますが、その上、アメリカは、ANSI、EIA、IEEEなど、いろいろな面で独自標準、いわゆるアメリカンスタンダードを持っているので、真の国際規格を制定するのは本当に大変ですね。GE EnergyがDLMS-UAのメンバーでないのも、主要ビジネス対象エリアを考えれば当然かもしれません。
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