Methodist Church and Hall, Horncastle

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「DRはどこへ向かうのか」のシリーズは終わりにしようと思っていたのですが、またまた気になる記事を見つけてしまったので、4か月前の記事(FERC OKs Limits on DR in Capacity Auction – UPDATE)ですが、ご紹介します。
例によって、全訳ではなく、超訳になっていることはご承知おきください。また、冒頭の文字色=緑の部分は、2014年1月30日FRECが発行した料金変更に関する回答書(Docket No. ER14-504-000:ORDER ON PROPOSED TARIFF CHANGES)から補足しています。では、はじめます。

FREC PJMの容量市場でのDR資源調達に上限を課すことを承認

~なぜPJMはFERCにDR資源調達に上限を課す申請をしたのか?~

2014年2月4日

RTO Insider

2013年11月29日、PJMは連邦エネルギー法(Federal Power Act:FPA)205条に基づき、FERCに「オープンアクセス送電料金(Open Access Transmission Tariff:OATT)」および、PJM管内の小売電気事業者(Load Serving Entity:LSE)との「信頼性補償協定(Reliability Assurance Agreement:RAA)」の改定申請を提出した。
容量市場に参加できるのは、年間を通して容量が確保できる電源などの資源に限定していたが、DR資源をその容量市場に参加させるため、夏季限定DR(6月-9月)及び夏季拡張型DR(5月-10月)の参加を許した結果、意図しなかった悪影響が出たためとしている。
※ 詳細は割愛します。ご興味を持たれた方は、FRECが発行した料金変更に関する回答書(Docket No. ER14-504-000:ORDER ON PROPOSED TARIFF CHANGES)をお読みください。

連邦エネルギー規制委員会は、「調達コスト増大とDRの普及促進の妨げになる」との反対意見を無視して、PJMの容量市場における夏季限定および夏季拡張型DR調達量の上限値設定を承認した。この決定は、先週木曜日の夕刻委員会において4-0で可決され、2017-18年度調達分(すでに今年5月実施)から有効となる。

この新しい規則により、夏季拡張型DR(5月―10月)調達量の上限は、PJMが定める信頼度要求の10%、夏季限定型DR(6月-9月)調達量の上限は、たった4%に制限された。また、PJMの試算によると、今後2年間の容量市場への支出額が18億ドル上がるとしている。
容量市場調達価格が増加することを見越しながら、なぜ、そのようなルール改正を行ったのか?
それは、このルール変更によって、PJMは、容量を確保した期間のエネルギー調達コストを34億ドル減額できるとみているからである。緊急事態が発生するまでエネルギー市場には参加しないDR資源と異なり、その分発電設備からの調達が増えるので、エネルギー市場により多くの電源が参加し、ひいては、エネルギー価格の低下圧力となることが期待できる。

UBS投資研究所によると、エクセロン、ファーストエナジー、PSEG、カルパイン、NRG・エナジーのようなPJM市場に参加している発電事業者は、今回のルール改定を大歓迎しており、PJM管内のRTO地域の容量市場価格を$25/MW・日、MAAC地域の容量市場価格を$10/MW・日押し上げることになるだろうとみている。

DRプロバイダーにとって、これは明らかに打撃ではあるものの、相対的・技術的に優位に立つ業界リーダーのEnerNOCにとっては、通年型DR資源提供を増やし収益拡大につながる可能性もある。

このルール改定に反対だった消費者保護運動家、DR資源を提供する大口需要家、電気協同組合および州規制当局の反対を押し切って、この決定に踏み切ったFERCは次のようにコメントしている:

DRが消費者にもたらす大いなる利点を見失ったわけではない。我々は、DR資源提供者が他のタイプの資源と同じ土俵で戦えるPJM市場を形成し、そこに参加する機会を提供し続けなければならない。系統の信頼性維持を図りながら、調達する資源の間での競争を促しつつ、消費者にとって最も効率的なコストで容量調達されるようにするのがFERCの願いである。
すべてを考慮した上で、我々は、PJMの改定案が示した、容量市場におけるDR資源調達量制限の設定は、DR資源提供者にとって適切な市場参加機会を妨げるものではないと判断した。
他の解決方法もあるかもしれないが、PJMの改定案自体が特段不正・不合理とは考えられない。

以上です。

昨年来、PJMの容量市場におけるDR資源調達量の減少が続いている訳ですが、今年調達した分からは、このルール改定に基づく上限値の影響も出ているということがいえると思います。
通年型DRの容量市場参加に関しては、上限値がないので、夏季限定型DR、拡張夏季限定型DRに参加していたDR資源も通年型DRとして参加できるものは通年型DRに鞍替えしたということでしょう。

終わり