Sheep, Nower Farm
© Copyright Derek Harper and licensed for reuse under this Creative Commons Licence.

 

前回は、「人民の人民による人民のための政治」ではないですが、「1-bit LLM」について、他の先輩LLMに尋ね、また、その回答内容について他のLLMに評価させることで、「生成AIの生成AIによる生成AIのためのハルシネーションの検証」を行いました。

今回は、生成AIにおけるハルシネーションの問題と、前回採用した検証方法がどれほどハルシネーションの検証に対して有効かをChatGPTに尋ねてみました。

 

私:

生成AIにはハルシネーションは不可避なものでしょうか?

ChatGPT

AIが生成する情報における「ハルシネーション」とは、存在しない事実やデータを生成する行為を指します。この問題は、AIが完全に正確な情報のみを生成することを目指しても、避けられない側面があります。これは、主に以下の理由によるものです。

  1. データの不完全性: AIモデルは、トレーニングに使用されたデータに基づいて学習します。これらのデータセットが不完全であるか、特定のバイアスを持っている場合、AIは不正確な情報や存在しない事実を生成する可能性があります。
  2. モデルの一般化能力: AIモデルは、与えられたデータからパターンを学習し、それらを一般化して新しい状況に適用します。しかし、この一般化プロセスは完璧ではなく、予期しない方法で誤った情報を生成することがあります。
  3. 言語モデルの制限: 特に言語を扱うAIモデルでは、文脈の理解や意味の把握が不完全な場合があります。これにより、モデルが文脈に合わない内容を生成することがあります。
  4. 学習目標と評価指標: AIモデルは、設定された目標や評価基準に従って最適化されます。これらの指標がモデルに実世界の複雑さを完全に捉える内容を反映していない場合、不正確な生成結果が生じる可能性があります。

AI開発者は、これらのハルシネーションを減らすために多くの努力をしています。たとえば、より正確でバランスの取れたデータセットを使用する、モデルの透明性と説明可能性を高める、文脈や事実の確認を行うための追加的なメカニズムを組み込むなどの方法があります。しかし、現在の技術レベルでは、ハルシネーションを完全に排除することは非常に困難であり、AIの使用においてこれを理解し、適切に管理することが重要です。

 

私:

生成AIはいろいろな用途で利用できると思いますが、用途によって(例えば、創造的な文章を作る場合)は、ハルシネーションが問題ではないケースがあると思います。生成AIの主な用途と、それぞれの用途でハルシネーションが問題となるかどうかを表にまとめてもらえますか?

ChatGPT

以下の表に、生成AIの主な用途と、それぞれの用途でハルシネーションが問題となるかどうかをまとめました。

用途

ハルシネーションが問題となるか

創造的な文章の作成(物語、詩など)

問題とならない場合が多い

ニュース記事やレポートの自動生成

問題となる

医療診断の支援

問題となる

法律文書の自動生成

問題となる

教育資料の作成

状況による

データ分析報告

問題となる

言語翻訳

状況による

ゲームのシナリオ生成

問題とならない場合が多い

個人向け推薦システム

状況による

顧客サービスの自動応答

状況による

この表からわかるように、創造的な内容の生成やゲームのシナリオ生成など、創造性が求められる用途ではハルシネーションが必ずしも問題とならないことがあります。逆に、事実に基づく正確性が重要なニュース記事の生成や医療診断支援、法律文書の生成などでは、ハルシネーションは重大な問題となり得ます。それ以外の用途では、使用する状況やコンテキストによってハルシネーションが問題となるかが変わってきます。

 

私:

「状況による」というのは、どういうことか、「教育資料の作成」、「言語翻訳」、「個人向け推薦システム」、「顧客サービスの自動応答」それぞれについて、例で示してください。

ChatGPT

「状況による」というのは、AIが生成する情報の使用目的やコンテキストに応じて、ハルシネーション(つまり、誤った情報や存在しない事実の生成)が問題となるかどうかが異なることを意味します。以下に具体例を挙げて説明します。

教育資料の作成

  • 問題となる状況: 歴史的事実に関する教育資料を作成する際、AIが誤った情報を含む資料を生成した場合、学習者が誤解を招く可能性があります。
  • 問題とならない状況: 創造的な作文の課題や、思考力を鍛えるためのディスカッション資料を作成する際には、AIによる創造的な「ハルシネーション」が新たな視点を提供し、教育的な価値を生むことがあります。

 

言語翻訳

  • 問題となる状況: 法的文書や医療文書の翻訳で、AIが文脈を誤解して不正確な翻訳を生成した場合、重大な誤解を招くリスクがあります。
  • 問題とならない状況: 文学作品や詩の翻訳では、完全な正確さよりも感情やニュアンスの伝達が重視されるため、AIの「ハルシネーション」が創造的な解釈や表現の豊かさに貢献することがあります。

 

個人向け推薦システム

  • 問題となる状況: ユーザーの健康に関わる製品やサービス(例えば、食品の推薦)において、AIが不正確な情報に基づく推薦を行った場合、ユーザーの健康を害する恐れがあります。
  • 問題とならない状況: 映画や音楽の推薦では、ユーザーの好みに基づいて新しいジャンルや作品を「推測」することが価値を生み出すため、AIの創造的な「ハルシネーション」がポジティブな効果をもたらす可能性があります。

 

顧客サービスの自動応答

  • 問題となる状況: 顧客が製品の安全性に関する具体的な質問をした際に、AIが不正確な情報を提供すると、顧客の安全や企業の信頼性に悪影響を与える可能性があります。
  • 問題とならない状況: 顧客が一般的な問い合わせや、企業の製品に関する意見を求める場合、AIが少々創造的な回答をすることで顧客エンゲージメントを高めることがあります。たとえば、新製品の特徴を楽しく紹介する際などです。

これらの例から、AIによるハルシネーションが、目的、文脈、または影響の受け方によって、問題となるかどうかが変わってくる

 

私:

私自身は、いろいろな分野の情報検索にうまく利用できないかと考えていますが、これも「問題となる」という分類になるでしょうね?

ChatGPT

情報検索の用途で生成AIを利用する場合、その精度や信頼性が非常に重要になります。情報が正確である必要がある状況では、AIのハルシネーションや誤情報が問題となる可能性があります。例えば、学術研究、健康に関する情報、または金融投資に関するアドバイスなど、正確な情報が不可欠な分野でAIを用いる場合、誤情報が深刻な影響を及ぼす可能性があります。

一方で、情報検索の用途が探索的であり、さまざまな視点やアイデアのインスピレーションを求める場合には、AIによる情報の提供が有用である場合もあります。たとえば、新しい趣味の探索や、初期段階の研究で広範なトピックについてのアイデアを集める場合などです。こうした状況では、AIの提供する情報の多様性や創造性が価値をもたらすことがあります。

したがって、情報検索におけるAIの利用は、「問題となる」かどうかを一概に言えるものではなく、利用する目的やコンテキストによって異なります。重要なのは、AIが提供する情報の信頼性や精度を適切に評価し、必要に応じて追加の確認作業を行うことです。AIを情報検索ツールとして利用する場合は、その限界を理解し、慎重に情報を取り扱う必要があります。

 

私:

なるほど。「問題となる」に分類された、「ニュース記事やレポートの自動生成」、「医療診断の支援」、「法律文書の自動生成」、「データ分析報告」に関しても、問題とならない場合もあるのではないでしょうか?

ChatGPT

確かに、「ニュース記事やレポートの自動生成」、「医療診断の支援」、「法律文書の自動生成」、「データ分析報告」といった分野においても、特定の条件下や適用の仕方によっては、AIのハルシネーションや誤情報が問題とならない、あるいはリスクを最小限に抑えることが可能です。以下に、それぞれのケースで問題とならない可能性がある状況の例を挙げます。

ニュース記事やレポートの自動生成

  • 問題とならない場合: あらかじめ確認されたデータに基づく統計的なレポートや、イベントの基本的な概要を提供する記事の生成において、事実に基づいたテンプレートを使用する場合、誤情報のリスクを低減できます。また、エンターテイメントや風刺のための記事生成では、創造性が求められるため、ハルシネーションが意図的に利用されることもあります。

 

医療診断の支援

  • 問題とならない場合: AIを診断の補助ツールとして使用し、最終的な判断を医師に委ねる場合。AIは大量のデータからパターンを検出することが得意ですが、最終的な診断には医師の臨床経験や患者の個別の状況が考慮される必要があります。

 

法律文書の自動生成

  • 問題とならない場合: 法律文書のドラフト作成やフォーマットの提案にAIを使用し、最終的な内容は法律専門家がレビューと調整を行うケース。このようにAIを補助的なツールとして用いることで、効率性を高めるとともに、誤情報のリスクを軽減できます。

 

データ分析報告

  • 問題とならない場合: AIを使って初期のデータ分析を行い、その結果を人間のアナリストが詳細にレビューし、確認する場合。AIはデータの傾向やパターンを高速に識別することができますが、最終的な報告書では人間の専門知識と判断が不可欠です。

これらの例では、AIが生成する情報や提案が最終的な製品や判断の直接的な源泉となるのではなく、あくまでプロセスを効率化するための補助的な役割を果たすことが共通しています。つまり、AIの利用価値を最大化しつつ、その限界やリスクを管理するためには、人間による監視、レビュー、および最終的な判断が不可欠となります。

 

私:

「問題とならない場合が多い」に分類された用途の「創造的な文章の作成(物語、詩など)」や「ゲームのシナリオ生成」にしても、同様に「人間による監視、レビュー、および最終的な判断が不可欠」ではないでしょうか?つまり、用途によって、ハルシネーションが与える影響の程度は異なるけれでも、どのような用途で生成AIを使う場合も、最終的には、生成AIを使う人間側の判断が不可欠ということですね。

ChatGPT

その通りです。生成AIが「問題とならない場合が多い」と分類される用途であっても、人間による監視、レビュー、および最終的な判断は非常に重要です。たとえ創造性が求められる「創造的な文章の作成(物語、詩など)」や「ゲームのシナリオ生成」のような用途であっても、以下のような理由から人間の介入が必要です。

  1. 品質の保証: AIによる生成物の品質を確保するためには、人間によるレビューが必要です。これには、文脈の不整合、不自然な表現、意図しない内容の監査が含まれます。
  2. 創造性とオリジナリティの確認: AIが生成した内容が創造的であるとしても、そのオリジナリティや独自性を確保するためには人間の判断が必要です。AIは過去のデータに基づいて学習するため、完全に新しいアイデアやコンセプトを生成することは難しい場合があります。
  3. 倫理的・文化的感受性: 生成された内容が特定の文化や倫理観に適しているかを評価するためにも、人間の判断が必要です。AIは、特定の社会的、文化的ニュアンスや感受性を完全に理解することができない場合があります。
  4. 目的との整合性: 生成された内容が特定の目的や意図に適しているかを評価するには、人間による最終的な判断が必要です。たとえば、特定のメッセージを伝えるためのストーリーやシナリオを生成する場合、AIが提案した内容がその目的に適しているかどうかを人間が確認する必要があります。

これらの理由から、どのような用途であっても、生成AIを使用する際には人間による監睖、レビュー、および最終的な判断が不可欠となります。AIの能力を最大限に活用しつつ、その限界やリスクを適切に管理するためには、人間とAIとの協働が重要です。生成AIの進化に伴い、その活用範囲が広がる中で、AIと人間との関係をどのように構築し、バランスを取るかが、ますます重要な課題となっています。

 

私:

「人間による監睖、レビュー、および最終的な判断」ではなく、別の複数の生成AIに監睖、レビューを行わせ、その結果を人間が基本的には多数決の原理で最終的な判断を下すということで、問題はありますか?

ChatGPT

複数の生成AIによる監査やレビューを行い、その結果に基づいて人間が最終的な判断を下すアプローチは、特定のコンテキストや用途で有効な方法となる可能性があります。この方法には、以下のような利点と潜在的な問題が考えられます。

利点

  1. スケーラビリティ: 複数のAIを活用することで、大量のコンテンツを迅速にレビューすることが可能になり、プロセスの効率化を図ることができます。
  2. 一貫性の向上: 人間によるレビューは主観的なバイアスが入りやすいですが、AIによるレビューではルールベースで一貫性のある評価が期待できます。
  3. 初歩的なエラーの検出: 文法的な誤りや明らかな事実誤認など、初歩的なエラーの検出において、AIは高い精度を発揮することがあります。

潜在的な問題

  1. 複雑な文脈の理解: AIは複雑な文脈や微妙なニュアンス、文化的・倫理的感受性を完全に理解することが難しいため、これらの要素を考慮したレビューが必要な場合には人間の介入が不可欠です。
  2. ハルシネーションの相互確認: 異なるAIが同じような誤りやハルシネーションを犯す可能性があるため、複数のAIによるレビューでも、根本的な誤情報を見逃すリスクがあります。
  3. 多数決の限界: 多数決による最終判断は、選択肢の中で最も一般的または平均的なものが選ばれる傾向がありますが、これが必ずしも最良または最も適切な選択肢であるとは限りません。特に創造的な内容や専門的な知識を要する内容の評価において、このアプローチの限界が顕著になる可能性があります。

結論

複数の生成AIによる監査やレビュー後に人間が多数決の原理で最終的な判断を下すアプローチは、初歩的なエラーチェックや大量データの処理など、特定のシナリオでは有効かもしれません。しかし、最終的な品質保証や複雑な判断が求められる場合には、人間による詳細なレビューと判断が引き続き重要です。AIの使用においては、その限界を理解し、AIの出力に対する盲目的な信頼を避けるためにも、人間とAIの協働のバランスを見つけることが鍵となります。

 

私:

追加で確認です。

推論というのは、生成AIの使い方の中で一番ハルシネーションが起こりにくいものではないかと思うのですが、いかがですか?
 
 
ChatGPT:

推論(inference)という用語は、生成AIにおいては、訓練されたモデルを使って新しいデータに対して予測や結果を生成するプロセスを指します。ハルシネーション(hallucination)は、AIが事実に基づかない、現実には存在しない情報やデータを生成することを指します。この二つは、AIの振る舞いの異なる側面を示しています。

推論がハルシネーションを起こしにくいという考え方は、理論上は一定の根拠があります。なぜなら、推論プロセスは、モデルが訓練に使用したデータセット内の情報やパターンに基づいているからです。つまり、モデルが正確であればあるほど、そして訓練データが広範囲にわたり多様であればあるほど、モデルによる推論は現実世界のデータや状況を正確に反映する可能性が高くなります。

しかし、ハルシネーションのリスクはゼロではありません。生成AIモデル、特に言語モデルや画像生成モデルは、入力データに完全には存在しない新しい情報やデータを「想像」する能力を持っています。この「想像」のプロセス中に、モデルが現実とは異なる結果を生成する可能性があります。これは、モデルがある種のパターンを過度に一般化したり、訓練データに偏りがある場合などに特に起こりやすいです。

モデルの訓練データや構造によっては、特定の種類の推論タスクでハルシネーションが発生しにくくなることはありますが、AIの出力を盲信せず、常に慎重に評価することが重要です。 AIが生成する情報や推論結果は、可能な限り人間の監視や検証を経て、現実世界のデータや知識と照らし合わせて検証することが望ましいです。

 

本日の結論として、生成AIのあらゆる用途でハルシネーションは起こりうるけれども、他の生成AIにより生成AIの回答をチェックさせることで「初歩的なエラーチェックや大量データの処理など、特定のシナリオでは有効」かもしれない。けれども、「最終的な品質保証や複雑な判断が求められる場合には、人間による詳細なレビューと判断が引き続き重要」ということでした。

現状では、情報検索に生成AIを使う場合、ハルシネーションが多いけれども提供してくれる情報量が多いGeminiを使って、1次スクリーニングを行い、その結果をChatGPT、Claude3、Copilotで検証(2次スクリーニング)して、それらをまとめた結果に対して自分で「Google検索」で?確認するという手順が良いのではないかと思っています。

 

今回は以上です。

 

 

終わり