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このブログのシリーズ(生成AIのハルシネーション対策)の最後に、GPT-4のハルシネーション対策を確認したいと思います。

 

私#1

生成AIにとって、ハルシネーションというのは不可避なものでしょうか?

ChatGPT-4#1

AI、特に言語モデルが「ハルシネーション」という現象を示すことはあります。ハルシネーションとは、事実でない情報を生成してしまうことを指します。これは、AIが大量のテキストデータを学習する過程で、そのデータ内のパターンや関連性を解釈し、新しい回答やテキストを生成するときに発生することがあります。

この現象は、AIが完全に正確な情報源ではないことを示しています。AIは入力された情報や質問に基づいて最も適切と判断されるテキストを生成しようとしますが、その過程で誤った情報や存在しない事実を「創出」してしまうことがあるのです。

AIの設計者やユーザーは、このハルシネーションの問題を理解し、対処する方法を模索しています。例えば、より詳細なデータの検証、学習データの質の向上、モデルの誤りを検出しやすくするための改善策などが考えられます。また、ユーザーはAIからの情報を鵜呑みにせず、批判的に評価することが重要です。

AIのハルシネーション問題に対処することは、より信頼性の高い技術を開発するために不可欠です。それにより、AIがもたらす便利さと同時に、その限界を認識し、適切に利用するバランスが求められています。

 

私#2

ChatGPT-4を開発するにあたってどのようなハルシネーション対策が行われたか教えてください。

ChatGPT-4#2

ChatGPT-4の開発においては、ハルシネーションを減らすためにいくつかの対策が採られました。これらの対策は、モデルの訓練と評価の両面で実施され、より信頼性高く正確な情報を提供することを目指しています。主な対策は以下の通りです:

1.データセットの改善と拡張:ChatGPT-4の訓練には、より大きく、多様なデータセットが使用されています。これには、さまざまなジャンルや文脈のテキストが含まれており、AIがリアルな世界の知識と文脈をより広範に学習できるようにしています。

2.より洗練された訓練技術:Reinforcement Learning from Human Feedback (RLHF) という手法が採用されています。これは、人間の監督の下でモデルの出力を反復的に調整し、より望ましい回答を生成するように訓練する方法です。このプロセスにより、モデルは人間の評価者が指摘した誤りから学習し、より正確な情報を提供するようになります。

3.模倣学習と最適化:模倣学習(Imitation Learning)を通じて、人間が生成した理想的な回答を模倣することで、モデルの応答品質を向上させています。これにより、モデルが文脈をより適切に理解し、適切な回答を生成する能力が強化されます。

4.エラー分析とフィードバックループ:実際の使用状況から得られるフィードバックを分析し、特定のエラー傾向やハルシネーションの発生原因を特定することで、連続的な改善が行われています。これにより、モデルは段階的に精度を高めています。

これらの方法により、ChatGPT-4は前モデルよりもハルシネーションの発生を減少させ、より信頼性の高い回答を提供できるようになっています。

 

私#3

それでも、依然としてハルシネーションは起きてしまっていますが、今後どのような新たな対策を検討しているのでしょうか?

ChatGPT-4#3

ハルシネーションは、現代のAI言語モデルの開発における大きな課題の一つであり、これを完全に解消することは困難ですが、今後のモデル改善に向けた様々なアプローチが検討されています。以下は、将来的な対策として考えられる方法です:

1.     より高度な監督学習手法の開発:AIが生成する内容の質を向上させるために、さらに進化した監督学習手法やアルゴリズムが開発される可能性があります。これにより、モデルが生成する内容の信頼性を高めることができるでしょう。

2.     データセットの品質管理の強化:訓練データの精査をさらに厳格に行うことで、誤った情報や偏見が含まれているデータを排除し、より高品質な学習材料を提供することが考えられます。また、現実世界での事実に基づいたデータを増やすことも有効です。

3.     インタラクティブな学習の拡大:ユーザーからのリアルタイムフィードバックをモデルのトレーニングに組み込むことで、モデルが実際の使用状況に即した改善を行えるようにすることが期待されます。この方法は、モデルの適応性と正確性を向上させることができるかもしれません。

4.     マルチモーダル学習の導入:テキストだけでなく、画像や音声などの他のモードのデータを組み合わせて学習することで、よりリッチな文脈理解と状況判断が可能になるかもしれません。これにより、テキスト生成の精度が向上する可能性があります。

5.     倫理的ガイドラインと監視体制の強化:AIの使用における倫理的なガイドラインを設定し、適切な監視体制を整えることで、不適切な内容の生成を抑制し、より倫理的な使用が促されることが期待されます。

これらのアプローチは、モデルの能力を向上させると共に、ハルシネーションの発生を抑制するための有効な手段となり得ます。それぞれの技術や手法が持つ可能性を最大限に活かしながら、常にモデルの限界と課題を理解し、向上を目指していくことが重要です。

 

私#4

これらのハルシネーション対策をとったとしても、例えば、トレーニングデータで習得した情報/知識より新しい情報/知識に関する質問に関してはハルシネーションが起きてしまうのではないでしょうか?

ChatGPT-4#4

その通りです。AI言語モデルは訓練データに基づいて情報を学習し、そのデータに含まれる情報を元に応答を生成します。そのため、モデルが訓練された時点以降の新しい情報や事象については、データセット内に存在しないため、正確な情報を提供することが難しいです。この限界は、言語モデルが必ず直面する問題であり、特に現在進行形で変化する事象や最新のニュースに関しては顕著です。

モデルが直面する課題

1.     情報の時代遅れ:モデルのトレーニングデータが古い場合、最新の情報やトレンドを反映できない。

2.     知識の欠如:モデルはトレーニングデータに含まれていない事象や情報については「知らない」状態です。そのため、そのような領域については推測に依存することがあります。

3.     推測とハルシネーション:新しい情報について問われた場合、モデルが文脈や関連情報を基に推測を行うことがありますが、これがハルシネーションとなるリスクがあります。

 対策と考慮すべき点

  • 明確な制約の設定:ユーザーに対してモデルの限界を明確に伝え、最新の情報については確認が必要であることを説明する。
  • 定期的なアップデート:モデルの訓練データを定期的に更新し、新しい情報を学習させることで情報の鮮度を保つ。
  • ハイブリッドアプローチの採用:AIモデルの出力と現実世界のデータソース(例えばリアルタイムAPIなど)を組み合わせることで、最新の情報を提供する。

 

これらの対策により、AI言語モデルの限界を認識し、それでもユーザーにとって有益なツールとして機能させることが可能です。しかし、完全な解決には至らないため、常にモデルの出力に対する慎重な検証が求められます。

 

私#5

企業や特定の組織が、組織に関連する最新情報をRAGとしてChatGPTに提供するというのが1つの解決方法ではないでしょうか?

 

ChatGPT-4#5

はい、その提案はとても有効な解決策の一つです。RAG(Retrieval-Augmented Generation)モデルは、生成タスクにおいて、トレーニングデータベース外の情報を検索して活用することができます。企業や組織が自身に関連する最新情報を提供し、その情報をリアルタイムで検索し組み込むことにより、言語モデルはより正確で現状に即した情報を提供することが可能になります。

RAGモデルの利点

1.     情報の現状性:組織から提供される最新情報を基に回答を生成することで、情報の鮮度が保たれます。

2.     正確性の向上:直接組織のデータを参照することで、推測に頼ることなく、より正確な情報をユーザーに提供できます。

3.     カスタマイズ可能:特定の組織や業界に特化したカスタマイズが可能となり、その組織のニーズに合わせた応答が可能です。    

実装の際の考慮点

  • データのプライバシーとセキュリティ:組織が提供する情報の取扱いには、データ保護規制やプライバシーの観点から厳格な対策が必要です。
  • データの更新と管理:情報が常に最新の状態であることを保証するための効率的な更新と管理システムが必要です。
  • システムのスケーラビリティ:大量のデータを扱う場合、システムのスケーラビリティが重要となります。

 

このようなアプローチを取ることで、ChatGPTのような言語モデルを、特定の組織の公式な情報源として、またはその組織のサービスを利用するユーザー向けの支援ツールとしてより効果的に活用することができるようになります。

 

私#6

Enhance GPT Prompts with Vector Search and Semantic Ranking」という資料を見つけたのですが、これもハルシネーション対策として有効でしょうか?まず、この資料の内容を日本語で要約したのち、ハルシネーション対策としての評価を聞かせてください。

ChatGPT-4#6

この資料では、ベクトル表現とセマンティックランキングを使用して、情報検索の改善とAI応答の質を向上させる方法について説明されています。具体的には、Azure Searchと組み合わせて、概念的類似性に焦点を当てたベクトル検索を用いることで、キーワード検索だけではなく、テキストの意味論的な類似性を利用して情報を効果的に検索し、AI応答の関連性と精度を高める手法が採用されています。

ハルシネーション対策としての評価

このアプローチは、ハルシネーション対策に有効です。ベクトル検索とセマンティックランキングを使用することで、AIが生成する内容が訓練データに厳密に依存するのではなく、実際に検索された、関連性の高い情報に基づいて応答を生成できるため、誤った情報や関連性の低い内容を生成するリスクを減少させることが可能です。この技術により、AIの応答がより現実世界の事実やデータに即しているため、より正確で信頼性の高い情報提供が期待できます。

 

ということで、ChatGPT-4のハルシネーション対策の現状と、RAGやとセマンティックランキング/リランキングの有効性について確認しました。

 

本日はここまでです。

おわり