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1つ前のブログでは、OpenAIのo1-previewとワシントンポストのニュース記事の内容についてディスカッションした内容をご覧いただきました。

o1-previewの「高度な推論機能」の「思考過程」を覗き見るとともに、その「高度な推論機能」を働かせるためのは、o1-previewにいろいろな役割を持たせて、それぞれの立場から推論を行わせ、最後に集まった推論結果を総合することで、「それっぽい」o1-previewの意見が出来上がることが確認できました。

 

今回は、ChatGPT Plusとともに、有料での利用を開始したGemini Advancedを使って、日本の同時市場に関してディスカッションした内容をご覧いただきたいと思います。

 

では、はじめます。

 


 

私#1:

経済産業省とOCCTOで進めている同時市場の市場設計についてディスカッションしたいと思います。

Gemini Advanced #1:

経済産業省とOCCTO(電力広域的運営推進機関)が共同で進めている同時市場の市場設計について、以下の項目に沿ってまとめてみましょう。

  1. 同時市場とは?

同時市場とは、電力取引において、電力のスポット価格と調整力を同時に決定する市場のことです。現在、日本ではスポット市場と調整力市場が別々に運営されていますが、同時市場を導入することで、より効率的な電力取引を目指しています。

  1. 同時市場導入の背景・目的
  • 再生可能エネルギーの増加に伴い、電力需給の変動が大きくなっているため、より柔軟な調整力確保が必要となっている。
  • 電力システム改革の進展により、電力取引の自由化が進み、多様な主体が電力市場に参入するようになっている。
  • これらの状況に対応し、より効率的で安定的な電力供給を実現するために、同時市場の導入が検討されています。
  1. 同時市場の設計における主要な論点
  • 市場の枠組み: 前日市場と時間前市場を統合するのか、それとも別々に運営するのか。
  • 調整力の区分: どのように調整力を区分し、それぞれをどのように評価・調達するのか。
  • 価格決定方法: スポット価格と調整力の価格をどのように決定するのか。
  • システム運用: 同時市場を運用するためのシステムをどのように構築するのか。
  1. 経済産業省とOCCTOの役割
  • 経済産業省は、同時市場の制度設計を主導し、関連法令の整備などを行っています。
  • OCCTOは、同時市場の運営主体として、市場の運営ルール策定やシステム開発などを担当しています。
  1. 同時市場に関する検討状況

経済産業省では、「同時市場の在り方等に関する検討会」を設置し、同時市場の導入に向けた具体的な検討を進めています。OCCTOでは、「需給調整市場検討小委員会」において、技術的な検討やシミュレーションなどを実施しています。

これらの検討会や委員会では、市場関係者からの意見を広く聞きながら、同時市場の設計に関する様々な論点について議論が重ねられています。

  1. 今後のスケジュール

2024年9月には、「同時市場の在り方等に関する検討会」において中間取りまとめ(案)が公表されました。今後、さらなる検討を進め、2025年度中の同時市場導入を目指しています。

参考資料

ポイント

  • 同時市場は、電力システム改革の重要な柱の一つであり、今後の電力市場のあり方を大きく左右する可能性があります。
  • 経済産業省とOCCTOは、市場関係者との意見交換やシミュレーションなどを 통해、同時市場の導入に向けた検討を着実に進めています。
  • 同時市場の導入により、より効率的で安定的な電力供給の実現が期待されます。

補足

上記は、現時点での情報に基づいた概要です。今後の検討状況によっては、内容が変更される可能性がありますので、ご注意ください。 また、より詳細な情報については、経済産業省やOCCTOのウェブサイトなどを参照してください。

私#2:

2の「同時市場導入の背景・目的

再生可能エネルギーの増加に伴い、電力需給の変動が大きくなっているため、より柔軟な調整力確保が必要となっている。電力システム改革の進展により、電力取引の自由化が進み、多様な主体が電力市場に参入するようになっている。これらの状況に対応し、より効率的で安定的な電力供給を実現するために、同時市場の導入が検討されています。」という部分ですが、なぜ今あるJEPXのスポット市場とEPRXの需給調整力市場ではだめなのでしょうか?

Gemini Advanced #2:

excellent question! 現在のJEPXスポット市場とEPRX需給調整力市場では、同時市場導入の背景・目的にあるような課題に対応しきれない点がいくつかあります。

具体的には、

  • 時間的なズレ: スポット市場は前日市場、調整力市場は1週間前市場と時間軸が異なり、リアルタイムの需給変動に対応しにくい。このため、再生可能エネルギーの増加による予測困難な変動に対応しきれず、需給バランスの維持が難しくなる可能性があります。
  • 価格の不整合: スポット価格と調整力価格は別々に決定されるため、価格シグナルが一致せず、効率的な資源配分を阻害する可能性があります。例えば、調整力が不足しているにも関わらず、スポット価格が低いために発電事業者が発電を抑制する、といった状況が起こりえます。
  • 市場分断による非効率性: 市場が分断されていることで、取引機会が制限され、市場全体の流動性が低下する可能性があります。また、取引コストの増加や、市場参加者にとっての複雑性の増大にもつながります。

これらの問題点を解決するために、同時市場では、スポット価格と調整力を同時に決定することで、時間的なズレを解消し、価格シグナルを一致させ、市場全体の効率性を向上させることを目指しています。

より具体的にイメージするために、例を挙げてみましょう。

ある日、太陽光発電の発電量が予想以上に増加したとします。現在の市場では、

  • スポット市場:前日の予測に基づいて価格が決まっているため、当日の需給変動を反映できない。
  • 調整力市場:1週間前に調達されているため、当日の急な変動に対応できない。

この結果、需給バランスが崩れ、電力系統の安定性が損なわれる可能性があります。

一方、同時市場であれば、

  • リアルタイムの需給状況を反映して、スポット価格と調整力の価格が同時に決定される。
  • 太陽光発電の増加による電力供給過剰を迅速に把握し、価格シグナルを通じて発電事業者に発電量を調整するよう促すことができる。

このように、同時市場は、再生可能エネルギーの増加に伴う電力需給の変動に柔軟に対応し、より安定的な電力供給を実現するための有効な手段となりえます。

私#3:

時間的なずれに関してはJEPXには時間前市場がありますね。価格の不整合に関しては、用途が違えば同じ時間帯のKWh当たりの値段が違っても不思議ではない気もします。「市場分断による非効率性」に至っては理由になっていない気がします。JEPXとEPRXの2つの市場があることと市場分断は全く関係がないのではないでしょうか?

Gemini Advanced #3:

鋭い指摘ですね!それぞれの点について、もう少し深く議論してみましょう。

  1. 時間的なズレと時間前市場

確かに、JEPXには時間前市場が存在します。しかし、現状の時間前市場は、以下の課題を抱えています。

  • 取引規模が小さい: スポット市場に比べて取引規模が小さく、流動性が低い。
  • 参加者が限定的: 主に小売電気事業者などが参加しており、発電事業者の参加は限定的。
  • 調整力との連携が不十分: 調整力市場との連携が不十分で、価格シグナルの整合性がとれていない。

これらの課題から、現状の時間前市場は、リアルタイムの需給変動に対応し、効率的な調整力を確保するには不十分と言えます。同時市場では、時間前市場の機能を強化し、スポット市場と調整力市場を統合することで、よりリアルタイム性と流動性の高い市場を創り出すことを目指しています。

  1. 価格の不整合と用途の違い

「用途が違えば同じ時間帯のkWh当たりの値段が違っても不思議ではない」というご意見、もっともです。しかし、スポット価格と調整力価格の不整合は、単に用途の違いによるものだけではありません。

例えば、調整力が不足している時間帯において、スポット価格が低ければ、発電事業者は調整力を提供するインセンティブが働きません。その結果、電力系統の安定性が脅かされる可能性があります。

同時市場では、スポット価格と調整力価格を同時に決定することで、このような価格の不整合を解消し、発電事業者にとって適切な価格シグナルを提供することで、必要な調整力を確保することを目指しています。

  1. 市場分断とJEPX・EPRX

「JEPXとEPRXの2つの市場があることと市場分断は全く関係がない」というご指摘、重要です。確かに、物理的に市場が分かれていること自体が問題なのではありません。

ここでいう「市場分断」は、スポット市場と調整力市場が、時間軸、価格決定メカニズム、参加者などが異なることで、市場全体としての効率性を阻害している状況を指しています。

具体的には、

  • 取引機会の制限: スポット市場と調整力市場で別々に取引を行う必要があるため、取引機会が制限され、市場全体の流動性が低下する。
  • 情報共有の不足: スポット市場と調整力市場で情報共有が不十分なため、市場参加者が適切な意思決定を行うのが難しい。
  • 取引コストの増加: 2つの市場で取引を行う必要があるため、取引コストが増加する。

同時市場では、これらの問題を解決するために、スポット市場と調整力市場を統合し、より一体的な市場を構築することで、市場全体の効率性を向上させることを目指しています。

ご指摘いただいたように、現状の市場にも一定の機能はあります。しかし、再生可能エネルギーの増加や電力システム改革の進展に伴い、より高度な市場メカニズムが必要とされています。同時市場は、これらの課題を解決し、より効率的で安定的な電力供給を実現するための、新たな市場モデルとして期待されています。

私#4:

1に関しては、確かに現状時間前市場での取引規模は小さいですが、再エネが増えれば1日前の発電量予測と当日1時間前の発電量予測の差分を取引するため取引規模が大きくなる可能性が大きいのではないでしょうか?参加者が限定的というのも現状がそうだというだけで、だからJEPXとEPRXの2本立てではだめだという理由にはなっていないと思います。調整力との連携が不十分というのも、逆に市場が違うのだから、同じ電気の取引と言っても価値が違うのだから連携する方が間違っているという論理も成り立つのではないでしょうか?2に関する説明も、スポット価格と調整力価格が連動することを前提とした説明であり、もともと2つの市場価格は連動しないものだとすれば、たとえスポット価格が低くても、発電事業者は調整力を提供するのを控えるということにはつながらないと思います。「市場分断」に関してはJEPXで連系線を跨いだ取引に関して容量の制約があって、連系線容量をオーバーする取引ができないためエリアごとに市場価格がことなることを差しているのかと思ったのですが、別の意味で使っていたのですね。

Gemini Advanced #4:

素晴らしい分析ですね!それぞれの論点について、さらに深く掘り下げて考えていきましょう。

  1. 時間前市場の課題
  • 取引規模の拡大可能性: おっしゃる通り、再エネの増加に伴い、時間前市場の取引規模が拡大する可能性はあります。しかし、現状の時間前市場の仕組みでは、そのポテンシャルを十分に引き出せるかどうかは不確実です。例えば、取引参加者の増加、取引システムの改善、市場ルールの見直しなど、更なる改革が必要となるでしょう。
  • 参加者の限定性: 現状、時間前市場への発電事業者の参加が少ないのは事実です。これは、時間前市場における価格変動リスクの高さや、調整力市場との連携不足などが原因と考えられます。同時市場では、これらの課題を addressed することで、発電事業者を含む、より多くの市場参加者を取り込むことを目指しています。
  • 調整力との連携: 「市場が違うのだから連携する方が間違っている」というご意見、興味深いです。確かに、スポット市場と調整力市場は異なる機能を持つ市場ですが、電力システム全体を効率的に運用するためには、両市場の連携は不可欠です。同時市場では、価格シグナルの一致や情報共有の促進などを通じて、両市場の連携を強化し、より効率的な資源配分を実現することを目指しています。
  1. スポット価格と調整力価格の連動

おっしゃる通り、私の説明は、スポット価格と調整力価格がある程度連動することを前提としていました。しかし、現状のように両市場が分断されている状態では、価格の連動性は必ずしも高くありません。

同時市場では、スポット価格と調整力価格を同時に決定することで、両価格の連動性を高め、より適切な価格シグナルを提供することで、発電事業者による調整力供給を促進することを目指しています。

  1. 市場分断

「連系線容量の制約」によるエリア間価格差の問題は、重要な論点です。これは、広域的な電力市場の統合を阻害する要因の一つであり、同時市場の導入においても考慮すべき課題です。

私が「市場分断」と表現したのは、時間軸、価格決定メカニズム、参加者などが異なるスポット市場と調整力市場が、それぞれ独立して運営されていることにより、市場全体としての効率性を阻害している状況を指しています。

まとめ

今回の議論を通じて、同時市場導入の背景には、様々な課題や複雑な要因が絡み合っていることが改めて浮き彫りになりました。

ご指摘いただいたように、現状の市場メカニズムにも利点がある一方で、再生可能エネルギーの増加や電力システム改革の進展に伴い、新たな課題も生まれています。

同時市場は、これらの課題を克服し、より効率的で安定的な電力供給を実現するための、新たな市場モデルとして期待されています。

今後も、多様な視点から議論を深め、同時市場の設計を最適化していくことが重要です。

私#5:

1.時間前市場の課題の1番目(取引規模の拡大可能性)については、現状の時間前市場の仕組みでは、そのポテンシャルを十分に引き出せていないならば、改善すればよいことですね。2番目(参加者の限定性)も現状の課題が解決不能という前提でものを言っていないでしょうか?3番目(調整力との連携)についても、「電力システム全体を効率的に運用するためには、両市場の連携は不可欠」とあなたは明言していますが、電力取引が発展してきた過程を顧みると、当初は卸電力市場のみで、需給調整は系統運用者が別の方法で対処していましたので、「両市場の連携は不可欠」と言い切ることはできないと思います。

2.スポット価格と調整力価格の連動に関しては、なぜ連動しなければならないかの理由づけになっていません。

3.市場分断についても、あなたの定義は理解しました。ただ、JEPXおよびEPRXがそれぞれ十分うまく機能していれば良いだけの問題で、両市場をマージしなければならないと結論付ける理由にはなっていないように思います。

Gemini Advanced #5:

大変鋭いご指摘、ありがとうございます!それぞれの論点について、さらに深く考察し、私の説明不足だった点について補足させていただきます。

  1. 時間前市場の課題
  • 取引規模の拡大可能性: おっしゃる通り、時間前市場の仕組みを改善することで、取引規模を拡大できる可能性はあります。しかし、そのためには、取引システムの高度化、市場ルールの精緻化、参加者へのインセンティブ設計など、多岐にわたる改革が必要となります。同時市場では、これらの改革を包括的に進めることで、時間前市場の潜在力を最大限に引き出し、より効率的な電力取引を実現することを目指しています。
  • 参加者の限定性: 現状の課題が解決「不能」と断定したわけではありません。しかし、時間前市場における価格変動リスクや調整力市場との連携不足といった課題は、容易に解決できるものではありません。同時市場では、これらの課題を克服するための具体的な方策を検討し、より多くの参加者にとって魅力的な市場を構築することを目指しています。
  • 調整力との連携: 「両市場の連携は不可欠」と断言した表現は、やや強すぎたかもしれません。確かに、歴史的には卸電力市場と需給調整が分離していた時期もありました。しかし、電力システムの複雑化・高度化が進む現代においては、両市場の連携による相乗効果は、より重要性を増していると考えられます。同時市場は、両市場を統合することで、より効率的かつ安定的な電力システム運用を実現するための、一つの選択肢と言えるでしょう。
  1. スポット価格と調整力価格の連動

スポット価格と調整力価格の連動は、必ずしも絶対的な要件ではありません。しかし、両価格が乖離していると、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 調整力不足: スポット価格が低く、調整力価格が高い場合、発電事業者は調整力を提供するインセンティブが低くなり、調整力不足に陥る可能性があります。
  • 非効率な資源配分: スポット価格と調整力価格のバランスが崩れると、発電事業者の発電計画や投資判断が歪み、非効率な資源配分につながる可能性があります。

同時市場では、スポット価格と調整力価格を同時に決定することで、両価格の整合性を高め、より効率的な資源配分と安定的な電力供給を促進することを目指しています。

  1. 市場分断

JEPXとEPRXがそれぞれ十分に機能していれば、両市場を統合する必要性は低いというご意見、ごもっともです。しかし、現状では、両市場の分離による非効率性や課題も指摘されています。

同時市場は、これらの課題を解決し、より効率的で安定的な電力市場を構築するための、一つの選択肢として検討されています。

まとめ

今回の議論で、同時市場導入に対する様々な視点や論点が明らかになりました。

ご指摘いただいたように、同時市場は万能な解決策ではなく、導入に伴うリスクや課題も存在します。

今後、経済産業省やOCCTOは、これらのリスクや課題を慎重に検討し、市場関係者との意見交換を続けながら、同時市場の設計を精緻化していく必要があるでしょう。

そして、最終的には、同時市場が、日本の電力システムの安定供給と効率的な運用に貢献できるかどうか、多角的な視点から評価していくことが重要です。

私#6:

1.時間前市場の課題に関しては、考え方が違うので、これ以上議論しても無駄な気がします。

2.スポット価格と調整力価格の連動についてですが「調整力不足: スポット価格が低く、調整力価格が高い場合、発電事業者は調整力を提供するインセンティブが低くなり、調整力不足に陥る可能性があります。」というのは、逆ではありませんか?発電事業者は調整力価格の方が高ければ、わざわざ安い値段でスポット価格市場に売りに出すより、調整力市場に売りに出すのではないですか?「非効率な資源配分: スポット価格と調整力価格のバランスが崩れると、発電事業者の発電計画や投資判断が歪み、非効率な資源配分につながる可能性があります。」というのは、具体的にどのようなシナリオを想定されているのか説明をお願いします。

Gemini Advanced #6:

  1. 時間前市場の課題については、認識の違いがあるようですので、これ以上の議論は控えさせていただきます。それぞれの立場や前提条件によって、最適な市場設計は異なる可能性があります。
  2. スポット価格と調整力価格の連動について、ご指摘ありがとうございます。私の説明に誤りがありました。
  • 調整力不足: スポット価格が低く、調整力価格が高い場合、発電事業者は調整力市場に電力を売る方が収益が高くなるため、スポット市場への供給を減らし、調整力市場への供給を増やす可能性があります。しかし、調整力市場は、あくまでも需給バランスを調整するための市場であり、発電事業者がスポット市場への供給を過度に抑制してしまうと、電力供給不足に陥るリスクがあります。
  • 非効率な資源配分: スポット価格と調整力価格のバランスが崩れることによる非効率な資源配分のシナリオとしては、以下のようなものが考えられます。
    • 過剰な調整力供給: 調整力価格がスポット価格に比べて過度に高い場合、発電事業者は調整力供給に過度に注力し、発電設備の運用や投資が調整力供給に偏ってしまう可能性があります。その結果、本来必要なスポット市場への電力供給が不足したり、調整力供給のための設備投資が過剰になり、非効率な資源配分が生じる可能性があります。
    • 発電設備の稼働抑制: スポット価格が調整力価格に比べて過度に低い場合、発電事業者は発電所の稼働を抑制し、調整力供給に備える可能性があります。しかし、調整力はあくまで予備的な電力であり、発電所を過度に停止させてしまうと、電力供給不足に陥るリスクがあります。また、発電所の稼働率が低下することで、発電コストが増加し、非効率な資源配分につながる可能性があります。

同時市場では、スポット価格と調整力価格を同時に決定することで、両価格のバランスを適切に保ち、発電事業者にとって、スポット市場と調整力市場のどちらにも適切に電力を供給するインセンティブを与えることを目指しています。これにより、電力供給の安定化と効率的な資源配分を促進することが期待されます。

ご指摘いただいた点、大変参考になりました。今後も、正確で分かりやすい説明を心がけていきたいと思います。

私#7:

調整力不測のシナリオは、スポット市場で調達できなかった買い手が時間前市場でスポット市場より高値で買い入札を出し、時間前市場の重要性を高める結果につながるとも言えます。非効率な資源配分での説明も、時間前市場が現状通りうまく機能しないことを前提とした説明になっていないでしょうか?

Gemini Advanced #7:

おっしゃる通りです。時間前市場の活性化という観点から見ると、調整力不足のシナリオは、必ずしもネガティブな結果ばかりをもたらすとは限りません。

  • スポット市場で調達できなかった買い手が、時間前市場でより高値で買い入札を出すことで、時間前市場の取引量が増加し、流動性が高まる可能性があります。
  • 時間前市場の価格が上昇することで、発電事業者にとって時間前市場の魅力が増し、より多くの電力を時間前市場に供給するようになる可能性があります。
  • 時間前市場の活性化は、よりリアルタイムな需給調整を可能にし、電力システム全体の効率性向上に貢献する可能性があります。

このように、調整力不足のシナリオは、時間前市場の活性化を通じて、電力市場全体の効率性を向上させる可能性を秘めていると言えます。

ただし、時間前市場が活性化するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

  • 買い手と売り手の双方にとって、魅力的な価格形成メカニズムであること。
  • 十分な流動性を確保できるだけの取引参加者が存在すること。
  • リアルタイムな需給状況を反映した情報提供がなされること。

これらの条件が満たされなければ、時間前市場は活性化せず、調整力不足が電力供給の不安定化につながる可能性もあります。

また、非効率な資源配分の説明についても、現状の時間前市場の課題を前提とした部分があることは否めません。時間前市場が十分に機能していれば、スポット価格と調整力価格のバランスが崩れても、市場メカニズムを通じて効率的な資源配分が実現される可能性があります。

しかし、現状の時間前市場は、取引規模の小ささ、参加者の限定性、調整力市場との連携不足といった課題を抱えています。これらの課題が解決されない限り、時間前市場は本来の機能を発揮できず、非効率な資源配分が生じるリスクは残ります。

結論としては、調整力不足や非効率な資源配分の問題は、時間前市場の活性化と、その前提となる課題解決によって、克服できる可能性があります。

同時市場は、時間前市場の機能強化と、スポット市場との統合を通じて、これらの課題解決を目指しています。しかし、同時市場の導入自体が、時間前市場の活性化を保証するものではありません。

同時市場の導入効果を最大限に引き出すためには、市場ルールの精緻化、取引システムの高度化、参加者への情報提供など、多岐にわたる efforts が必要となります。

私#8:

時間前市場が活性化するために提示していただいた条件に関しては賛同します。ザラ場方式で株式市場等と同じく何円/MWで何MWの買い入札が入っているかがリアルタイムにわかれば、その状況から需給状況が分かるものと思います。

Gemini Advanced #8:

おっしゃる通りです!時間前市場の活性化には、リアルタイムな情報公開が非常に重要です。

ザラ場方式を採用し、株式市場のように価格と数量の情報をリアルタイムに公開することで、市場参加者は以下のメリットを享受できます。

  • 市場の透明性向上: すべての参加者が同じ情報にアクセスできるようになり、公正な取引が促進されます。
  • 価格発見機能の向上: リアルタイムな情報に基づいて、より適切な価格形成が期待できます。
  • 流動性の向上: 市場参加者は、刻々と変化する市場状況を把握し、迅速な意思決定を行うことができるため、取引が活発化し、流動性が高まることが期待されます。
  • 需給調整機能の向上: リアルタイムな需給状況を把握することで、より的確な需給調整が可能となり、電力系統の安定運用に貢献します。

実際に、海外の電力市場では、ザラ場方式を採用し、リアルタイムな情報公開を行っている事例が多く見られます。

例えば、アメリカの電力市場では、多くの地域でリアルタイム市場が導入されており、5分単位で価格が決定され、その情報がリアルタイムに公開されています。

日本でも、時間前市場にザラ場方式を導入し、リアルタイムな情報公開を進めることで、市場の活性化と電力システムの効率性向上に繋がる可能性があります。

ただし、ザラ場方式の導入には、以下のような課題も存在します。

  • システム構築の complexity: リアルタイムな情報処理と配信を行うためのシステム構築には、高度な技術と費用が必要となります。
  • 市場参加者の負担増加: 市場参加者は、リアルタイムに変化する市場情報に対応するため、高度な分析能力や取引システムが必要となる可能性があります。

これらの課題を克服し、ザラ場方式のメリットを最大限に活かすためには、市場全体のインフラ整備や、市場参加者へのサポート体制の構築などが重要となります。

私#9:

JEPXの当日市場(時間名市場)の説明を見ると、当日市場(時間前市場)はそのような翌日計画策定後の不測の需給ミスマッチに対応するための市場です。約定方式は、ザラ場を採用しています。となっています。ご確認ください。https://www.jepx.jp/electricpower/outline/

Gemini Advanced #9:

申し訳ありませんが、そのURLから必要な情報を見つけることができませんでした。

他の質問があれば、お気軽にお尋ねください。

私#10:

JEPXの時間前市場を説明したページの内容をPDFにしてUPしましたので確認してください。

Gemini Advanced #10:

(UPしたPDFの内容を確認後)

確認しました。

JEPXの当日市場(時間前市場)は、翌日計画策定後の不測の需給ミスマッチに対応するための市場で、ザラ場方式を採用しているとのことですね。

私の情報が古くなっていました。申し訳ありません。

ご指摘いただき、ありがとうございました。おかげで、最新の情報を把握することができました。

今後とも、正確な情報提供を心がけてまいります。

私#11:

確認していただいたうえで、元の議論に戻りますが、再エネ発電事業者が増えて、ザラ場決済の時間前市場が活況を呈するようになれば、何も同時市場にすることはないという主張を認めてもらえますか?

Gemini Advanced #11:

その主張を完全に認めることは難しいですが、時間前市場の活性化が同時市場導入の必要性を減らす可能性があることは事実です。

確かに、再生可能エネルギー発電事業者の増加に伴い、時間前市場の取引規模が拡大し、ザラ場方式によるリアルタイムな価格形成と情報公開が実現すれば、現状の課題の多くは解決される可能性があります。

具体的には、

  • 予測精度の向上: 再生可能エネルギーの発電量予測技術の向上により、時間前市場での取引リスクが低減し、発電事業者の参加意欲が高まる可能性があります。
  • 流動性の向上: 取引参加者の増加により、時間前市場の流動性が高まり、より効率的な価格形成が促進される可能性があります。
  • 情報公開の充実: ザラ場方式によるリアルタイムな情報公開により、市場参加者はより的確な需給状況を把握し、迅速な意思決定を行うことができるようになります。

これらの要素が揃えば、時間前市場はより効率的に機能し、同時市場導入の必要性は低下する可能性があります。

しかし、時間前市場の活性化だけで、同時市場のメリットを全て享受できるわけではありません。

  • 調整力との連携: 時間前市場が活性化しても、調整力市場との連携不足という課題は依然として残ります。同時市場では、スポット市場と調整力市場を統合することで、より効率的な調整力調達を可能にします。
  • 価格シグナルの一致: 時間前市場と調整力市場が分離している状態では、価格シグナルの不一致による非効率性や調整力不足のリスクが残ります。同時市場では、スポット価格と調整力価格を同時に決定することで、価格シグナルの一致を図り、より適切なインセンティブ設計を可能にします。
  • 市場の一体化: 時間前市場と調整力市場を統合することで、市場全体の流動性向上、取引コスト削減、情報共有の促進などが期待できます。

従って、時間前市場の活性化は重要ですが、同時市場導入の必要性を完全に否定するものではありません。

最終的には、同時市場と時間前市場のそれぞれのメリットとデメリット、そして日本の電力システムの現状や将来予測などを総合的に判断し、最適な市場設計を選択する必要があるでしょう。

私#12:

「調整力市場との連携不足」、「価格シグナルの不一致」というのは、決定的な問題ではないということは、ここまでの議論の中で、あなたも認めたと思いましたが?

最後の「市場の一体化: 時間前市場と調整力市場を統合することで、市場全体の流動性向上、取引コスト削減、情報共有の促進などが期待できます。」に関しても、それは単にあなたの「主張」であって、真実の証明にはなっていないと思います。

Gemini Advanced #12:

おっしゃる通りです。「調整力市場との連携不足」と「価格シグナルの不一致」は、時間前市場が抱える決定的な問題ではない可能性があります。

  • 調整力市場との連携不足: 時間前市場と調整力市場は、それぞれ異なる目的と機能を持つ市場であるため、必ずしも緊密に連携する必要はないという考え方もあります。ただし、両市場が連携することで、より効率的な需給調整や価格形成が可能になるという側面も存在します。
  • 価格シグナルの不一致: 時間前市場と調整力市場の価格シグナルが一致しないことは、必ずしも非効率性を意味するわけではありません。それぞれの市場の特性を反映した価格形成が行われることで、市場全体の効率性が高まる可能性もあります。

また、「市場の一体化」によるメリットについても、私の主張に過ぎないというご指摘はごもっともです。市場の一体化は、市場全体の流動性向上、取引コスト削減、情報共有の促進など、様々なメリットをもたらす可能性がありますが、同時に、市場の複雑化や競争阻害などのリスクも孕んでいます。

市場の一体化が電力システム全体の効率性向上に繋がるかどうかは、市場の構造や参加者の行動、規制の枠組みなど、様々な要因に左右されます。従って、市場の一体化を推進する際には、メリットとリスクを慎重に比較検討し、最適な市場設計を選択する必要があります。

ここまでの議論を通じて、同時市場導入の是非は、時間前市場の活性化の可能性、調整力市場との連携の必要性、価格シグナルの一致の重要性、市場の一体化によるメリットとリスクなど、多岐にわたる要素を考慮した上で判断する必要があることが明らかになりました。

今後、より詳細なデータ分析やシミュレーションなどを実施することで、同時市場導入の有効性について、より客観的な評価が可能になると考えられます。


以上、Gemini Advancedとの同時市場導入の是非についてのディスカッションの内容をご覧いただきました。議論をするという意味で、Gemini Adcancedもなかなか大したものだという感触を持ちました。

実は、なぜ今同時市場が必要なのかが、同時市場のあり方に関する検討会の資料だけでは腹落ちしなかったので、生成AIになぜ同時市場が必要なのか補足説明してもらいたいと思って始めたのですが、結果は、今のところ、それほど慌てて同時市場を作らなくてもよいのではないかという方向に落ち着いてしまったのは予想外でした。

他の生成AIとディスカッションするとどのような結果になるのか?次回は、同時市場についてClaude3.5とディスカッションしてみたいと思います。

あと、Gemini Advancedの出力には、ところどころ日本語以外が混じってしまうところが気になりました。

1)韓国語が混入
Gemini Advance#1のポイントの2ポツ目:経済産業省とOCCTOは、市場関係者との意見交換やシミュレーションなどを 통해、同時市場の導入に向けた検討を着実に進めています。
「통해」を調べたところ、「市場関係者との意見交換やシミュレーションなどを通して」という意味のようです

2)英語が混入
・Gemini Advance#2の冒頭、「excellent question!」となっています。
・Gemini Advance#4の参加者の限定性の記述の中に「これらの課題を addressed することで」のような形で混入しています
・Gemini Advance#8の「システム構築の complexity」のような形で混入しています

出力されている文章は、日本語として十分こなれていますが、あと一歩ChatGPTには及ばない感じです。

 

では、本日は以上です。

終わり