Caernarfon square
Maes square in Caernarfon, showing the church and a small fairground.
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1つ前のブログでは、Gemini Advancedと同時市場についてディスカッションした内容をご覧いただきました。今回は、Claude3.5を相手に、同時市場について議論してみたいと思います。
では、始めます。
私#1:
経済産業省とOCCTOで進めている同時市場の市場設計についてディスカッションしたいと思います。
Claude3.5#1: 承知いたしました。同時市場(同時市場・需給調整市場)の市場設計について議論させていただきたいと思います。 特に注目したい点がございましたらお聞かせいただけますでしょうか。例えば:
より具体的な論点やご関心事項についてお伺いできれば、より充実した議論ができるかと存じます。 |
私#2:
はい、現在運用中のJEPXとEPRXをマージして同時市場にする意味が本当にあるのかどうかを議論したいと思います。あなたはどう思いますか?
Claude3.5#2: この重要な論点について、以下の観点から分析させていただきます: メリット:
デメリット・課題:
ここで重要な質問をさせていただきたいのですが、現在の市場運営において具体的にどのような非効率性を感じていらっしゃいますか?その点を踏まえることで、より具体的な議論ができるかと思います。 |
私#3:
私は、2つの市場をマージする必要はないという立場で議論したいと思いますので、あなたは同時市場への移行が必要であるという立場で、まずあなたの考えを聞かせてください。
Claude3.5#3: 承知いました。同時市場への移行が必要であるという立場から、以下の主張をさせていただきます:
以上が私の主張ですが、これらの点について、どのようなご意見をお持ちでしょうか? |
私(ChatGPT-4o)#4:
- 再エネ大量導入への対応ですが、蓄電池を併設するなどして再エネ側でお天気任せではなく出力量を制御できるようになれば、「変動性再エネの増加により、より柔軟な需給調整が必要になっています」という点は解消されます。また現在JEPXには時間前市場もあるので、このザラバ市場をもっと有効に使えばリアルタイムで最適な資源配分が可能になるt思います。
- 経済効率性の向上ですが、送電網に接続される再エネに関してはあなたの主張は正しいと思いますが、配電網に今後どんどん再エネが入ってくることを考えると、実は全国大の同時市場でも対応に限界があると思います。
- 国際的な整合性ですが、米国のCAISOやPJMなどを念頭にしていると思いますが、欧州では別々の国も覆うのではないでしょうか?
- システムの信頼性向上で指摘されている「エネルギーと調整力を一体的に運用することで、より確実な需給バランスの維持が可能になります」というのは、欧州の事例を見ると必ずしも常に正しいとは言えないと思います。
Claude3.5#4: ご指摘ありがとうございます。それぞれの点について、再反論させていただきます:
ただし、ここで1点お伺いしたいのですが、現在の分離された市場構造で、今後の再エネ50-60%という高い導入目標に対して、十分な調整力を確保できるとお考えでしょうか? |
私(ChatGPT-4o)#5:
1.再エネ大量導入への対応ですが、蓄電池を併設するなどして再エネ側でお天気任せではなく出力量を制御できるようになれば、「変動性再エネの増加により、より柔軟な需給調整が必要になっています」という点は解消されます。また現在JEPXには時間前市場もあるので、このザラバ市場をもっと有効に使えばリアルタイムで最適な資源配分が可能になるt思います。
2.経済効率性の向上ですが、送電網に接続される再エネに関してはあなたの主張は正しいと思いますが、配電網に今後どんどん再エネが入ってくることを考えると、実は全国大の同時市場でも対応に限界があると思います。 3.国際的な整合性ですが、米国のCAISOやPJMなどを念頭にしていると思いますが、欧州では別々の国も覆うのではないでしょうか?
4.システムの信頼性向上で指摘されている「エネルギーと調整力を一体的に運用することで、より確実な需給バランスの維持が可能になります」というのは、欧州の事例を見ると必ずしも常に正しいとは言えないと思います。
Claude3.5#5: ご指摘ありがとうございます。それぞれの点について、再反論させていただきます:
ただし、ここで1点お伺いしたいのですが、現在の分離された市場構造で、今後の再エネ50-60%という高い導入目標に対して、十分な調整力を確保できるとお考えでしょうか? |
私(ChatGPT-4o)#6:
- 再エネ大量導入への対応について
① 蓄電池併設のコスト問題 蓄電池は確かにコスト面で課題がありますが、同時市場の実現に向けた改革自体も莫大な投資を必要とし、その効果が不透明です。一方で、蓄電池のコストは技術革新とスケールメリットにより急速に低下しています。現状では、蓄電池併設や需給調整技術の改善を優先的に進め、段階的な対応を図るほうが効率的であり、同時市場に依存しないソリューションが十分可能です。
② 時間前市場の流動性の課題 流動性の向上は市場設計全体の改善や制度的なインセンティブの提供で対応可能です。現在の取引量が限定的であるのは市場参加者の誘導策が不足しているためであり、同時市場化を進めずとも、柔軟性市場や需給調整市場の拡充を進めることで十分に補えると考えます。現行の市場構造の改善が先決です。
- 経済効率性について
① 送電レベルの最適化の重要性 送電レベルでの最適化が重要である点は認めますが、同時市場に移行しなくても、既存の市場での効率性向上策や技術改善によって対処可能です。特に分散型電源の導入が進む中、配電網レベルでの課題解決を優先するほうが、最終的には送配電システム全体の効率化につながります。
② ローカルフレキシビリティ市場との連携 将来的な市場設計の可能性は重要ですが、ローカルフレキシビリティ市場と同時市場の連携を前提とした市場改革は複雑化のリスクを高めます。まずは現行の市場構造でフレキシビリティの最適活用を進め、その成果を検証した後に段階的な拡充を図るべきです。
- 国際的な整合性について
① 欧州の市場統合との比較 日本は島国であり、欧州のような国際連携を前提とした市場統合が必要な状況にはありません。欧州と同様のアプローチを取るのではなく、日本独自の電力需要構造や再エネ普及率に即した政策が求められます。
② ドイツのABEWOプラットフォームの例 ドイツの例は興味深いですが、日本にそのまま適用するのは非現実的です。日本ではエネルギー市場と調整力市場の分離が既存の安定性を支えています。その分離を維持しつつ、必要に応じて連携を強化する段階的なアプローチのほうが、日本の特性に適合しています。
- システムの信頼性について
① 欧州の課題の原因 欧州の課題は市場設計だけでなく、制度面や地理的条件、各国間の連携問題にも起因しています。日本では、既存の市場制度が長年にわたり信頼性を確保してきた実績があります。この仕組みを補強する形での部分的な改善が現実的であり、全面的な市場再構築を目指す必要はありません。
② 堅牢な市場設計の可能性 堅牢な市場設計は重要ですが、それには時間と費用がかかります。現在の市場設計を活用しながら、運用面での改善を進めるほうが迅速で費用対効果が高いです。既存の市場の利点を活かしつつ、部分的な改革を積み重ねていくべきです。
結論として、同時市場化はそのコストや実現までの時間を考慮すると、必ずしも日本にとって最適な選択肢ではありません。既存の市場構造を最大限に活用し、現実的かつ段階的な改善策を進めることで、より効率的かつ信頼性の高い電力システムを維持することが可能です。
Claude3.5#6: ご指摘の点を踏まえ、私の立場から以下のように反論させていただきます:
ただし、ここで一つ質問させていただきたいのですが、仮に分離型の市場構造を維持する場合、kWh価値とΔkW価値の最適配分をどのように実現することをお考えでしょうか? |
私(ChatGPT-4o)#7:
- 市場の即応性と柔軟性について①リアルタイムでの需給調整に遅延が生じるという指摘については、現在の市場分離型構造でも適切な運用を通じて十分に対応可能です。特に以下の理由が挙げられます:
(1)予測精度の向上:再エネ出力変動の予測精度はAIやビッグデータを活用することで急速に向上しており、需要と供給のバランスをリアルタイムで管理するためのツールは既に実用化されています。同時市場に頼るよりも、これらの技術の導入拡大を優先する方が効率的です。
(2)需給調整市場の活用:現在の需給調整市場をさらに拡大し、蓄電池や需要側リソース(DR)を積極的に活用することで、リアルタイム性を高めることが可能です。同時市場化に伴うシステム変更の負担を回避しながら柔軟性を確保できます。 再エネ50-60%導入時の迅速な市場応答には、蓄電池や需要側リソースの市場参入を促進するインセンティブを強化する方が、システム全体の効率を高める手段として適しています。具体的には、需給調整市場を強化し、そこにリアルタイム取引を導入することで同時市場に代わる解決策を提供できます。
- 市場の効率性について①同一の発電機がJEPXとEPEXに重複して参加する際の課題について
(1) 分離市場でも効率的運用は可能:現在の市場設計では、発電機が市場のルールに基づいて効率的に配分される仕組みが整っています。重複参加による配分の非効率性を解決するために、価格連動性を高めたり、調整力市場の統合を進めるなどの局所的な改善が可能です。
(2) 柔軟性を確保した効率性向上:市場の完全統合が効率性向上に必須であるとは限りません。分離型構造のままでも、既存の需給調整市場や時間前市場にインセンティブを付与し、調整力の市場価格を適切に反映させることで、効率性を大幅に向上させることができます。 調整力の最適配分は、時間前市場だけでなく、既存の需給調整市場を高度化することで解決可能です。例えば、需給調整市場に動的価格メカニズムを導入することで、調整力の効率的な利用を促進できます。
- 運用コストについて①同時市場への移行が長期的な運用コスト削減につながるという主張について
(1) 初期投資のリスク:初期投資が膨大であることに加え、新しいシステムの導入には運用段階で予測できないコストが発生する可能性があります。特に、システムの安定性を確保するためのバックアップ機能や市場監視の強化が必要となる場合、コストが増大します。
(2) 既存システムの改善の方が低コスト:現在の市場分離型構造を改善し、効率性を向上させる方が、コスト効果が高く、システム変更のリスクも低減できます。具体例として、分離市場間での価格連動を強化し、需給調整市場を拡充することが挙げられます。 市場の二重管理や調整コストは、既存の運用プロセスの効率化とデジタルツールの導入によって十分に削減可能です。同時市場への移行が本当に長期的なコスト削減につながるかどうかについては、具体的なデータに基づく慎重な検討が必要です。
- 技術的実現性について①段階的な移行計画が可能であるとの指摘について
(1) パイロットプロジェクトの費用対効果:特定のエリアや時間帯でのパイロット的導入に多額の費用がかかる可能性があり、全国展開の実現性を判断する前に、既存システムで対応可能な選択肢を検討するべきです。
(2) リスク分散の重要性:日本独自の電力システムに適した設計を段階的に進める場合でも、既存の市場構造を活かしつつ改良を進める方が、リスクを分散しながら柔軟に対応できます。 分離型市場構造を維持する場合、kWh価値とΔkW価値の最適配分については、以下の方法で対応が可能です
① 需給調整市場の価格設計:ΔkW価値を需給調整市場で適切に評価する価格メカニズムを導入し、調整力を提供するリソースに対する経済的インセンティブを明確化する。
② 市場間連携の強化:JEPXと需給調整市場間での情報共有を強化し、調整力をリアルタイムで適切に割り当てるための運用ルールを改善する。 これらの手法を通じて、kWh価値とΔkW価値の両方を既存市場で最適に配分することが可能と考えます。
Claude3.5#7: 指摘を踏まえ、私からも以下の観点で議論を深めさせていただきたいと思います:
a) 調整力の応動時間に応じた価値評価の難しさ b) 複数商品の同時約定による最適化の困難さ c) リアルタイム市場価格との連動性の確保
a) 市場間の価格シグナルの時間的なずれ b) 系統制約を考慮した地域間の価格差の反映 c) 調整力の価値が時々刻々と変化する中での最適配分 ここで具体的な質問をさせていただきたいのですが、現在の市場分離型構造で、例えば太陽光発電の急激な出力低下時に、kWh価値とΔkW価値を同時に提供できる火力発電等の既存電源を、どのように効率的に活用することをお考えでしょうか? 特に、発電機の運用制約(最低出力、出力変化速度等)を考慮しつつ、両方の価値を最適に引き出すための具体的な市場メカニズムについて、お考えをお聞かせいただけますと幸いです。 |
私(ChatGPT-4o)#8:
- 予測精度と市場対応について:AIやビッグデータによる予測精度向上が限界を持つことは事実ですが、次のように対応可能です:
極端気象(a)への対応:極端気象時の予測困難性を軽減するため、気象予測データを活用したリスクシナリオを複数考慮する運用体制を整えるべきです。これにより、需給バランスを保つ余裕度を事前に確保できます。
地域分散型リソースの増加(b):地域分散型リソースの予測複雑性については、リソースを地域ごとにクラスタリングし、それぞれの特性に応じたローカルフレキシビリティ市場を整備することで、全体の予測精度向上に寄与できます。
需要家行動の多様化(c):需要家行動の多様化への対応には、動的価格付け(リアルタイムプライシング)を導入し、需要家に価格信号を送り、予測可能性を高める施策が有効です。 これらの施策は、同時市場に移行せずとも現行の市場設計内で実現可能です。
- 需給調整市場の拡充について:調整力の応動時間や複数商品の同時約定に関する課題についても、既存の需給調整市場の改良で十分対応可能です:
応動時間に応じた価値評価(a):現行の調整力市場において応動時間別に分類された市場商品を設け、価格差を明確にすることで価値評価の難しさを緩和できます。例えば、Fast ReserveやSecondary Reserveのような商品区分を国内市場で導入することが考えられます。
複数商品の同時約定(b):需給調整市場とスポット市場を相互に連動させることで、同時約定の最適化が可能です。具体的には、電源の利用優先順位をAIによるアルゴリズムでリアルタイムに最適化する仕組みを導入できます。
リアルタイム市場価格との連動性(c):リアルタイム市場価格との連動性は、価格決定プロセスを需給調整市場にも統一的に適用し、連携強化を進めることで解決可能です。調整力価格を動的に設定し、エネルギー市場と整合的に運用することが鍵です。
- 市場間の価格連動性について:市場間の価格連動性強化に関する課題も以下の方法で対処できます:
時間的な価格シグナルのずれ(a):現在の分離型市場においても、短時間での取引を可能とする市場設計(例:15分単位の市場取引)を導入することで価格連動性を改善できます。
地域間価格差の反映(b):系統制約を考慮した地域間価格差を反映するため、分離市場においてもLMP(Locational Marginal Pricing)を適用することが有効です。LMPを需給調整市場に適用することで、調整力の地域的な効率性を向上させられます。
調整力価値の時々刻々の変化への対応(c):調整力価値の動的変化に対しては、需給調整市場での頻繁な価格更新を行い、エネルギー市場との整合性を維持します。また、需要側リソースをリアルタイムに調整可能とすることで、より柔軟な対応が可能です。
現在の市場分離型構造で、太陽光発電の急激な出力低下時にkWh価値とΔkW価値を効率的に提供する仕組みとして、以下の市場メカニズムを提案します:
(1)kWh価値(エネルギー供給)の最適化:エネルギー市場において火力発電の最低出力制約を考慮し、短期的な価格信号に基づく稼働計画を構築します。この際、再エネの予測誤差に応じて調整余裕を確保するため、需給調整市場の価格設定を動的に更新します。
(2)ΔkW価値(調整力)の活用:需給調整市場において、調整力を提供できる火力発電所に応動時間ごとの価値を価格信号で反映します。特に、火力発電の出力変化速度を基に調整力市場での優先順位を設定し、最も迅速に応答可能な資源を選択します。
(3)統合的な運用モデルの導入:既存の分離型市場間での情報連携を強化し、エネルギー市場と調整力市場を統合的に運用します。これにより、両市場が持つ価格信号をリアルタイムで共有し、発電機の運用制約に応じた最適化を実現できます。
(4)デジタルツールの活用:AIと高速アルゴリズムを活用し、火力発電の最低出力や応動速度に基づくリアルタイム調整モデルを構築します。このモデルにより、太陽光発電の出力低下時に、ΔkWとkWh価値を同時に引き出す仕組みが構築可能です。 市場分離型構造の維持を前提としても、kWh価値とΔkW価値の効率的な配分は、需給調整市場の高度化やエネルギー市場との情報連携強化により実現可能です。現行市場の改善策を優先しつつ、新たな市場設計の負担を回避する方向が現実的かつコスト効率的です。
Claude3.5#8: ご指摘ありがとうございます。非常に詳細な分析と具体的な提案をいただき、分離型市場構造でも高度な運用が可能であることが理解できました。 しかし、なお以下の点で課題が残ると考えます:
a) 分離型でありながら統合運用を行うための二重のシステム構築コスト b) 市場間の情報連携における時間遅れの存在 c) 運用者側の業務複雑化
ここで確認させていただきたいのですが、これらの課題に対して、現行の分離型市場構造を維持したまま対応する場合、具体的にどのような運用方法をお考えでしょうか? 特に、システムの複雑性と運用コストの観点から、同時市場化との比較でどのように優位性を確保できるとお考えですか? |
私(ChatGPT-4o)#9:
- 統合的な運用モデルの複雑性について:エネルギー市場と調整力市場を統合的に運用する際の課題について、以下の方法で対応可能です:
二重のシステム構築コスト(a):統合的運用に向けた段階的アプローチを採用し、既存の市場システムを活用した小規模な試験導入から始めることで、システム構築コストを抑制します。例えば、需給調整市場に限った情報連携の試験的運用を行い、順次規模を拡大していく方法です。
情報連携の時間遅れ(b):市場間の情報連携における時間遅れは、リアルタイムデータ共有プラットフォームを導入することで緩和できます。たとえば、需給調整市場でのリソース指令を秒単位で更新する仕組みを強化し、運用遅延を最小限に抑えることが可能です。
運用者側の業務複雑化(c):業務の複雑化を防ぐため、デジタルツールによる運用プロセスの自動化を進めます。例えば、リソース配分の意思決定をAIに委ね、運用者はその監視と調整に集中する体制を構築することで、運用負担を軽減できます。
- リアルタイム性の確保について:リアルタイム性を確保するため、以下の運用方法を提案します:
情報伝達の遅延(a):AIアルゴリズムの活用だけでなく、クラウドベースの分散型データ管理システムを採用することで、複数市場間のリアルタイム情報伝達を高速化します。これにより、分離市場間の連携がスムーズに行えます。
最適化プロセスの同期(b):調整力市場のデータをリアルタイムにエネルギー市場の価格決定に反映させる仕組みを強化し、プロセス間の同期を図ります。具体的には、共有アルゴリズムを用いて、全市場で共通の価格シグナルを適用する方法が考えられます。
システム障害時のリスク増大(c):システム障害のリスクを低減するため、バックアップシステムを冗長化して構築し、障害発生時にも迅速な切り替えが可能な体制を整備します。また、運用シミュレーションを継続的に行い、リスク管理を徹底します。
- 市場参加者の対応負担について:複数市場への参加負担を軽減するために、次の施策を講じます:
取引管理システムの複雑化(a):市場参加者向けに統合型取引プラットフォームを提供し、複数市場のデータと取引プロセスを一元管理できるようにします。これにより、取引管理の手間が削減されます。
リスク管理の困難さ(b):市場間の価格差を参加者が事前に把握できる予測ツールを提供し、リスク管理の精度を向上させます。また、リスク低減のためのヘッジング手段を市場設計に組み込むことも有効です。
人的リソースの増加(c):市場参加者向けに自動化ツールや取引ガイダンスを提供し、人的負担を軽減します。さらに、取引に関する教育プログラムを設け、効率的な市場参加を支援します。
4. 同時市場化との比較における優位性
①柔軟性と段階的改善:同時市場化は一度に大規模な変更を求めるため、失敗のリスクが高まります。一方、分離型市場構造の改善は段階的に進めることができ、リスク分散が可能です。また、既存市場を活用するため初期投資を抑えることができます。
②技術的・運用的な適応可能性:分離型市場構造は、技術革新や市場ニーズに応じて柔軟に適応できます。同時市場化では設計変更が困難なため、技術的進化に対応しづらい点が課題です。
③参加者負担の軽減:市場間の情報共有を通じた調整力確保は、同時市場化に比べて市場参加者に新たな学習負担や投資を求めないため、実務負担が軽減されます。 分離型市場構造を維持する場合、複雑性やコストの課題に対してはデジタルツールと段階的な改善策を用いることで対応可能です。同時市場化と比較しても、柔軟性、段階的進展の可能性、既存資産の活用による効率性という点で優位性があります。市場間連携を強化しつつ、現行の枠組みを最大限活用するアプローチが現実的で持続可能な解決策です。
Claude3.5#9: 指摘ありがとうございます。私も分離型市場構造の維持に向けた考えを改めて整理し直したいと思います。 以下の点で、分離型市場構造の維持が合理的だと考えられます:
ただし、一点確認させていただきたいのですが、分離型市場構造を維持する場合、将来的な再エネ比率のさらなる上昇(例:70-80%)に対して、どのような追加的な施策をお考えでしょうか? |
私(ChatGPT-4o)#10:
- 分離型市場構造での再エネ比率上昇への追加的施策:再エネ比率のさらなる上昇に伴う課題に対して、分離型市場構造を維持したまま次の施策を提案します。
① 高度化された需給調整市場の活用:分離型市場構造を基盤として、需給調整市場を強化することにより、再エネの特性に応じた柔軟性を確保します。
② 分散型リソースの活用拡大:地域分散型の再エネや需要側リソースを需給調整市場と連携させることで、分離型構造を維持しながら再エネ比率の上昇に対応します。
③ 再エネの出力制御技術の進化:分離型市場構造では、再エネの出力制御を効率的に行うことで安定性を確保できます。
④ 長期的な電力貯蔵技術の導入:再エネ比率が極めて高い状況では、長時間蓄電やエネルギーシフトが重要になります。
⑤ 動的な価格メカニズムの導入:再エネの変動性を反映した価格設定により、需要家や発電事業者に適切なシグナルを提供します。
- 分離型市場構造の維持と同時市場化の比較優位性:これらの施策を分離型市場構造内で進めることで、次のような利点を保持できます:
①段階的なリスク管理:新たな施策を段階的に導入することで、実現性を確認しつつ運用を進化させられます。一括改革によるリスクを回避し、既存市場の安定性を維持できます。
②市場参加者の柔軟な適応:市場参加者が新技術や市場変化に段階的に対応できるため、負担を軽減できます。特に、蓄電池やVPPなどの新技術導入に市場参加者が適応するための時間が確保されます。
③新技術の部分的な実証実験の可能性:分離型構造の下では、特定の地域や分野での試験導入が容易であり、成果を見ながら段階的な全国展開が可能です。 分離型市場構造を維持する場合でも、再エネ比率70-80%に対応するための技術革新や運用改善を段階的に進めることで、十分に対応可能です。一括的な市場再編による不確実性を回避しつつ、柔軟で実効的な改革を進めるアプローチが、持続可能性と安定性の両面で優れた選択肢といえます。
Claude3.5#10: |
残念ながら、Claude3.5は無料版を使っているため、1回のセッションでのチャットの文字数制限に抵触してしまい、最後のClause3.5の回答は得られなかったのですが、Claude3.5#9の回答時点で、①同時市場化による一括改革はリスクが高い、②現在の2つの分離した市場を改良していく方が、コスト効率が良い、③技術革新への適応もしやすいとしており、Claude3.5が言い負かされた形になっています。
ただ、自分のみでClaude3.5に反論していたら、逆にClaude3.5に言い負かされていたかもしれません。
4回目以降の対話内容はChatGPT-4oに考えてもらったものなので、今回のディスカッションでは、ChatGPT-4oがClaude3.5を論破した形となりました。
いかがでしたでしょうか?
なかなか見ごたえのある論戦だったのではないかと思います。
それと、論戦を戦わす際のClaude3.5の戦略(回答の最後に、相手を困らせるような問いかけを仕掛けてくる)が興味深かったです。
Gemini Advancedに続き、Claude3.5も、私が無理に仕掛けた「同時市場不要論」に言い負かされてしまいました。
先のブログでも言いましたが、なぜ今同時市場が必要なのかが、同時市場のあり方に関する検討会の資料だけでは腹落ちしないので、生成AIになぜ同時市場が必要なのか補足説明してもらいたいと思って始めたのですが、結果は今のところ、それほど慌てて同時市場を作らなくてもよいのではないかという方向に流れています。
さて、どうなのでしょうか?
終わり