Fen Ditton: downstream in December
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AI検索エンジンとして、Gensparkは数カ月前から利用しだしていたのですが、Genspark Autopilot Agentは使ったことがなかったので、今回の「同時市場不要論検証」のブログシリーズの一環で使ってみました。

すでにご存じの方も多いと思いますが、とりあえずどんなものかをChatGPT-4o(SearchGPT)に尋ねてみました。

 

私:

GensparkとGenspark Autopilot Agentについて、ChatGPT(SearchGPT)と対比させて、簡単に説明してください。

 

ChatGPT-4o:

以下に、Genspark、Genspark Autopilot Agent、ChatGPT(SearchGPT)の紹介と、それぞれの適切な使い分けについて説明いたします。

1. Genspark

Gensparkは、AI技術を活用した次世代の検索エンジンで、ユーザーの検索意図を深く理解し、複数の信頼できる情報源から関連性の高い情報を統合して提供します。従来の検索エンジンと異なり、広告やバイアスの影響を最小限に抑え、質の高いコンテンツをユーザーに届けることを目指しています。

使用例:最新のAI技術のトレンドを知りたい場合、Gensparkを利用することで、信頼性の高い情報源からの最新記事や分析を効率的に取得できます。

2. Genspark Autopilot Agent

Genspark Autopilot Agentは、Gensparkの新機能で、非同期に作業を進める世界初のAIエージェントです。ユーザーがプロンプトを入力するだけで、複数の信頼できる情報源を調査し、結果をまとめて提供します。これにより、ユーザーは他の作業に集中しながら、詳細な調査結果を受け取ることができます。

使用例:特定の製品の市場動向を詳細に調査したい場合、Autopilot Agentに依頼することで、関連データを収集・分析し、包括的なレポートを受け取ることができます。

3. ChatGPT(SearchGPT)

ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模言語モデルで、ユーザーの入力に対して自然な言語で応答します。主に対話形式で情報提供や質問応答を行い、特定の検索エンジンに依存せず、広範な知識を基に回答を生成します。

使用例:新製品のキャッチコピーを考えたい場合、ChatGPTに相談することで、短時間で複数のアイデアを得ることができます。

 

使い分けのポイント:

  • 迅速な情報取得やアイデア出し: ChatGPTを利用することで、対話形式で素早く情報やアイデアを得ることができます。
  • 詳細な調査やファクトチェック: Genspark Autopilot Agentを活用することで、複数の信頼できる情報源からのデータ収集・分析を自動化し、詳細なレポートを受け取ることができます。
  • 日常的な情報検索: Gensparkを使用することで、広告やバイアスの少ない信頼性の高い情報を効率的に検索できます。

これらのツールを目的に応じて使い分けることで、情報収集やアイデア出しの効率を大幅に向上させることが可能です。

Genspark Autopilot Agentについてさらに詳しくお知りになりたい場合、以下のURLが参考になると思います。

 


さて、ここからが、Genspark Autopilot Agentを使って「同時市場不要論」に関する検証を実施した結果です。

Genspark Autopilot Agentを立ち上げ、①「新しいタスク」をクリックすると、「タスク:データ検索」の画面がポップアップするので、②「+データ検索」をクリック。すると、更に「データ検索」の画面が現れるので、③に調査したい内容を入力して④「データ検索」をクリックすると、AI検索処理が始まり、しばらくすると、下図のとおり、「クイックアンサー」が表示されました。

ここまででも、ChatGPTのo1-previewより回答が出るまでの時間がかかっていましたが、「注意」にある通り、これで終わりではありません。「平均的なデータ検索タスクはデータの正確性を確保するために30〜40分かかります。。。完了後、詳細なレポートがあなたの受信箱に送信されます」ということなので、他の作業を行っていると、ようやく、Gensparkから「Task Completed:」というタイトルのGmailが届きました。

メール本文を見ると、プロンプトとして入力した内容が、そのままAutopilot Agent Taskの名前となっていて、調査結果は「View Report」をクリックすることで確認できました。

 

 

画面の文字が小さいので、内容を抜書きしてみると

プロンプト:

日本では、卸電力(kWh)と需給調整力(ΔkW)を同時に取引する同時市場導入の検討が進んでいますが、海外を見ると米国だけ見ても同時市場がない地域もあり、欧州でも同時市場を前提としていない中で、本当に日本で同時市場の導入が必要かどうかの検証をしてください。

に対して、クイックアンサーは以下の通りです。

クイックアンサー

日本における同時市場の導入についての検討は、エネルギー市場の効率化と安定供給を目指すものです。しかし、海外の事例を見ると、同時市場が必ずしも普遍的に採用されているわけではありません。

  • アメリカの状況: アメリカでは、地域によって同時市場が存在しないところもあります。これは、各地域のエネルギー供給の特性や市場構造が異なるためです。例えば、カリフォルニア州など一部の州では再生可能エネルギーの割合が高く、需給調整が複雑になるため、同時市場が有効とされています。
  • ヨーロッパの状況: ヨーロッパでは、同時市場を前提としていない国も多くあります。これは、各国のエネルギー政策や市場構造が異なるためであり、必ずしも同時市場が最適な解決策とは限らないことを示しています。
  • 日本における必要性: 日本では、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、需給調整力の確保が重要な課題となっています。同時市場は、この需給調整を効率的に行う手段として検討されています。しかし、日本独自の電力システムや地域特性を考慮する必要があります。特に、日本は地理的に細長く、多様な気候条件を持つため、地域ごとの需給バランスが異なることから、一律の同時市場導入が最適かどうかは慎重に検討する必要があります。

このように、日本での同時市場導入は一概に必要とは言えず、地域特性や既存の電力システムとの整合性を考慮した上で判断することが求められます。

※インスピレーションと洞察から生成されたもの、出典は5つの情報源です

注意

上記の簡単な回答には、時折誤りが含まれることがありますが、これはあくまで迅速な参照のためです。以下のタスクはAutopilotエージェントによって実行され、より信頼性が高く包括的な結果を提供します。平均的なデータ検索タスクはデータの正確性を確保するために30〜40分かかりますので、他の重要な優先事項に集中できます。完了後、詳細なレポートがあなたの受信箱に送信されます。

 

これに対して、最終回答を抜き出すと以下の通りです。

最終結果

この表は、日本、米国、欧州における卸電力(kWh)と需給調整力(ΔkW)の取引状況を比較し、日本での同時市場導入の必要性を検討するために設計されています。各列は日本、米国、欧州の状況を示し、行はそれぞれの属性を表しています。これにより、各地域の市場構造の違いを明確にし、日本での同時市場導入の妥当性を評価するための情報を提供します。

  • この表は、日本、米国、欧州の卸電力と需給調整力の取引状況を比較し、日本での同時市場導入の必要性を評価するために設計されています。
  • 日本では、卸電力はJEPXを通じて取引され、需給調整力は一般送配電事業者の調整力公募と需給調整市場で調達されています。同時市場の導入は検討中です。
  • 米国では、ISOがエネルギーと需給調整力を同時に取引する同時市場を運用しています。
  • 欧州では、需給一致を前提とした市場モデルが採用されており、同時市場は導入されていません。
  • データは2024年時点のものであり、将来的な市場の変化を反映していない可能性があります。追加の情報源を参照して、データの妥当性を確認することをお勧めします。
  • 市場の規模や取引量の比較、エネルギー政策や規制の違いを考慮することで、より詳細な分析が可能になるかもしれません。

属性

日本

米国

欧州

同時市場の有無

検討中

あり (米国ではISOがエネルギーと需給調整力を同時に取引する同時市場を採用しています。)

運用中 (米国ではカリフォルニア州、テキサス州、ペンシルバニア州で同時市場が運用されています。)

なし (欧州では需給一致を前提とした市場モデルが採用され、同時市場は導入されていません。)

同時市場の概念は前提としていない(欧州では同時市場の概念は前提としていない。)

需給調整力(ΔkW)

一般送配電事業者の調整力公募と需給調整市場

同時取引

需給調整用ΔkWの余力を活用

卸電力(kWh)

JEPX

同時市場

EPEX

 

最終結果では、上記の表の後に、そのバックデータが示されていて、自分で再確認することが可能です。

卸電力(kWh) 日本 JEPX

日本の卸電力市場はJEPXを通じて取引されていることが確認されています。JEPXは日本卸電力取引所の略称であり、スポット市場を通じて取引が行われていることを示しています。したがって、両方の候補値は同じ市場を指しており、矛盾はありません。信頼性の高い情報源からの証拠に基づいて、JEPXが正しい値であると判断できます。

卸電力(kWh) 米国 同時取引

米国では、ISOが運営する卸電力市場において、エネルギーと需給調整力が同時に取引される仕組みが採用されています。したがって、同時取引という値は、ISOが運営する市場での取引の特徴を正確に表しています。両方の候補値は同じ市場の異なる側面を表しており、矛盾はありません。信頼性の高い情報源からの証拠に基づいて、同時取引が正しい値であると判断できます。

電力(kWh) 欧州 EPEX

欧州の卸電力市場はEPEXを通じて取引されていることが確認されています。EPEXは欧州の主要な電力取引所の一つであり、信頼性の高い情報源からの証拠に基づいて、EPEXが正しい値であると判断できます。

需給調整力(ΔkW) 日本 一般送配電事業者の調整力公募と需給調整市場

日本における需給調整力(ΔkW)は、一般送配電事業者の調整力公募と需給調整市場を通じて調達されています。この情報は、信頼性の高い情報源であるリアイバリュー株式会社のブログから得られています。一方で、調整力の未達が課題であるという情報も存在しますが、これは需給調整市場の運用上の課題を指摘しているものであり、調達方法そのものを否定するものではありません。したがって、調達方法としては「一般送配電事業者の調整力公募と需給調整市場」が正しいと考えられます。

需給調整力(ΔkW) 米国 同時取引

米国における需給調整力(ΔkW)は、ISOがエネルギーと需給調整力を同時に取引する仕組みを採用していることが確認されています。この情報は電気新聞ウェブサイトから得られたもので、信頼性が高いです。DA市場との同時市場で確保するという情報もありますが、これは具体的な市場の運用方法を示しているに過ぎず、同時取引の一部として理解できます。したがって、米国の需給調整力の取引方法として「同時取引」が正しいと考えられます。

需給調整力(ΔkW) 欧州 需給調整用ΔkWの余力を活用

欧州では、需給調整用ΔkWの余力を混雑処理に活用していることが確認されています。この情報は、信頼性の高い情報源であるOCCTOの資料から得られています。混雑が多い場合には追加で確保する必要があるという点も含めて、需給調整力の運用方法として「需給調整用ΔkWの余力を活用」が正しいと考えられます。

同時市場の有無 日本 検討中

日本における同時市場の状況は、現在『検討中』であるとされています。資源エネルギー庁が同時市場の創設について検討していることが複数の信頼できる情報源から確認されています。『前日同時市場の導入提言』という候補もありますが、これは具体的な導入ではなく、提言段階に留まっていることを示しています。したがって、現時点では『検討中』が最も正確な表現です。

同時市場の有無 米国 あり / 運用中

米国では、ISOがエネルギーと需給調整力を同時に取引する同時市場を採用していることが確認されています。『あり』と『運用中』の両方が候補として挙げられていますが、これらは同義であり、実際に同時市場が存在し、運用されていることを示しています。したがって、『あり』という表現は正確です。

同時市場の有無 欧州 なし / 同時市場の概念は前提としていない

欧州では、需給一致を前提とした市場モデルが採用されており、同時市場は導入されていないことが確認されています。『なし』と『同時市場の概念は前提としていない』は、同じ事実を異なる表現で示しており、どちらも正確です。しかし、『なし』がより直接的な表現であるため、これが適切です。

 

以上が、Genspark Autopilot Agentからの回答でした。

クイックアンサーでは「日本での同時市場導入は一概に必要とは言えず、地域特性や既存の電力システムとの整合性を考慮した上で判断することが求められます。」と一歩踏み込んだ回答となっていますが、最終結果の方は、淡々と調査で得られた事実を列挙し、比較評価材料は提供するけれども、自ら評価はしないようです。

考えようによれば、「Autopilot Agentとして、できるだけ正確な判断材料を用意することでアシストはするけれども、最終判断は、あなたですよ」という、Genspark Autopilot Agentのポリシーなのかもしれません。

 

本日は、Genspark Autopilot Agentがどんなものかのご紹介でした。

 

終わり