Trees on a hill, Cormore
© Copyright Kenneth Allen and licensed for reuse under this Creative Commons Licence.
生成AIモデルは、各社どんどん機能アップし、そこにDeepSeekが出現して、生成AI界隈はてんやわんやの状況が続いていますが、生成AIモデルをありがたく使わせてもらう立場からすると、性能の良いものが安価に使えるに越したことはないと思いながらも、性能アップに連れてどんどんブラックボックスが増えていくことに一抹の不安も感じています。
GPT-1:1億1700万個、GPT-2:15億個、GPT-3:1750億個、GPT-3.5:3550億個、GPT-4:推定1兆以上と言われるパラメータ数、パラメータ数が増えることで、モデルはより多くのデータを学習し、複雑なタスクへの対応力が向上してきたと言われていますが、パラメータってなんでしょうか?
本日は、そもそも生成AIモデルとは?と、生成AIのパラメータおよびトークンに関連してGemini(Gemini 2.0 Flash)と対話した内容をご覧いただきたいと思います。
では、早速始めます。
■ モデルとは y=f(x)のようなもの?
生成AIでは、GPTのようなものをモデルと呼んでいると思いますが、そもそもモデルとは何でしょうか?
はい、おっしゃる通りです。GPTのようなものを生成AIの世界では「モデル」と呼んでいます。
モデルの定義は文脈によって様々ですが、GPTに代表される生成AIの文脈においては、以下のようになります。
モデルとは
学習データから抽出されたパターンや規則性を数学的・統計的に表現したものです。
もう少し具体的な説明
- 学習: 大量のテキストデータや画像データなどをAI(主に大規模言語モデル)に読み込ませます。この過程を学習と呼びます。
- パターン抽出: AIは学習データの中から、単語の出現パターンや文法規則、画像の特徴などの様々なパターンを発見し、記憶していきます。
- モデル化: AIが学習したこれらのパターンや規則性を、数式やアルゴリズムの形で表現したものがモデルです。
- 生成: モデルは、与えられたプロンプト(指示)や画像データなどに基づいて、学習データから得られたパターンや規則性を使って、新しいテキストや画像を生成します。
モデルの種類
生成AIのモデルには様々な種類がありますが、代表的なものとしては以下のようなものがあります。
- 大規模言語モデル(LLM): GPTやBERTなどが代表的です。主にテキスト生成や翻訳、要約などに使われます。
- 画像生成モデル: Stable DiffusionやMidjourneyなどが代表的です。主に画像生成や画像編集に使われます。
モデルの役割
モデルは、AIが人間のように自然な文章を作成したり、創造的な画像を生成したりするための「脳みそ」のような役割を果たします。
補足
- モデルは学習データによって性能が大きく左右されます。
- モデルは常に進化しており、より高性能なものが日々開発されています。
- モデルはブラックボックス(中身がわからない)な部分も多く、その仕組みについてはまだ研究が進められている段階です。
まとめ
生成AIにおけるモデルとは、学習データから抽出されたパターンや規則性を数学的・統計的に表現したものであり、AIが人間のように自然な文章を作成したり、創造的な画像を生成したりするための「脳みそ」のような役割を果たすものです。
生成AIでのモデルは、大雑把に言えば、y=f(x)の関数のようなものと考えて良いでしょうか?
はい、その理解は概ね正しいです。
生成AIにおけるモデル
ご存知の通り、AIモデルは、大量の学習データから複雑なパターンや規則性を抽出し、それを数学的・統計的に表現したものです。
y=f(x)の関数との類似点
- 入力と出力:
- 関数: x (入力) -> f(x) (出力)
- モデル: プロンプト/画像 (入力) -> テキスト/画像 (出力)
- 変換: 関数f(x)は入力を出力に変換します。モデルも同様に、入力を学習データに基づいて別の形式に変換します。
- 予測: 関数は特定の入力に対して予測される出力を与えます。モデルも同様に、与えられた入力に基づいて最も適切な出力を予測します。
y=f(x)の関数との相違点
- 複雑さ:
- 関数: 通常は数式で表現される比較的単純なもの
- モデル: 数百万、数千億というパラメータを持つ複雑なニューラルネットワーク
- 学習:
- 関数: 人間が設計する
- モデル: 大量のデータから自動的に学習する
- 表現力:
- 関数: 特定のタスクに特化
- モデル: 複数のタスクに対応可能
まとめ
生成AIのモデルは、入力と出力を持ち、入力を別の形式に変換するという点で、関数y=f(x)と似ています。しかし、モデルは、関数よりもはるかに複雑で、学習能力が高く、多様なタスクに対応できます。
補足
- モデルの中には、関数y=f(x)のように、入力と出力を直接結びつけるものではなく、潜在的な特徴空間を経由して入力を出力に変換するものもあります。
- モデルの学習方法や構造も様々であり、関数y=f(x)の単純なアナロジーでは捉えきれない側面も多くあります。
結論
生成AIのモデルを理解する上で、関数y=f(x)のようなものと捉えることは、大まかなイメージをつかむ上で有効です。しかし、実際には、モデルは関数よりもはるかに複雑で奥深いものであることを理解しておく必要があります。
■ 生成AIモデルのパラメータとは?
次に、生成AIのモデルにおけるパラメータに関する理解ですが、これも大雑把に言えば、
y = a・x + bという「モデル」では、aとbの2つのパラメータがあるーというような認識でよいですか?
はい、その認識で概ね合っています。
生成AIにおけるパラメータ
パラメータとは、AIモデル(この場合はy = a・x + b)の挙動を制御する変数です。
y = a・x + b の例
この式は、xを入力、yを出力とする一次関数(線形モデル)です。
- a: 傾きを表すパラメータ
- b: 切片を表すパラメータ
パラメータの役割
- aとbの値を調整することで、直線の傾きや位置を調整できます。
- AIモデルでは、パラメータの値を調整することで、入力に対する出力の仕方を調整します。
生成AIのモデルにおけるパラメータ
生成AIのモデル(例えば、GPT)は、上記の例よりも遥かに複雑な数百万、数千億というパラメータを持っています。これらのパラメータは、学習データから自動的に調整され、より高度な文章生成や画像生成を可能にします。
パラメータ調整の重要性
- パラメータの調整具合によって、AIモデルの性能は大きく左右されます。
- パラメータ調整は、AIモデルの開発において非常に重要な工程です。
まとめ
生成AIのモデルにおけるパラメータとは、AIモデルの挙動を制御する変数のことであり、y = a・x + b の例では、aとbがパラメータにあたります。
補足
- パラメータは、学習データから自動的に調整されます。
- パラメータの数は、AIモデルの複雑さや性能に影響を与えます。
- パラメータ調整には、高度な知識や技術が必要となります。
この説明で、パラメータについてご理解いただけたでしょうか? もし他に疑問点があれば、お気軽にご質問ください。
生成AIのモデルでは、なぜパラメータの数がそれほど大きくなるのでしょうか?生成AIのモデルを y = f(x1, ・・・, xn)のn次元の特徴量の「関数」と見立てた場合で説明してください。
はい、おっしゃる通りです。生成AIのモデルを y = f(x1, …, xn) の n 次元特徴量の関数と見立てた場合で、パラメータ数が大きくなる理由を説明します。
生成AIモデルと n 次元特徴量関数
- 入力: x1, …, xn は、テキストデータや画像データなどの特徴量を表します。例えば、テキストデータの場合、各単語の出現頻度や単語間の関係などが特徴量となります。
- 出力: y は、生成されるテキストや画像を意味します。
- 関数 f: 特徴量 x1, …, xn から y を生成する複雑な関数です。
パラメータ数と表現力
- 単純な関数: 例えば、y = a・x + b のような単純な関数では、パラメータ a, b の2つしかありません。このような関数では、直線的な関係しか表現できません。
- 複雑な関数: 生成AI のモデルでは、非線形かつ複雑な関係を表現するために、多数のパラメータを持つ複雑な関数 f を使用します。
- パラメータ数と表現力: 一般的に、パラメータ数が多いほど、より複雑な関数を表現できるようになります。つまり、より多くの種類のテキストや画像を生成したり、より高度な処理を行ったりすることができます。
なぜパラメータ数が大きいのか
- データの複雑さ: 現実のテキストや画像データは非常に複雑です。単語の組み合わせや文法規則、画像の構成要素など、様々な要素が複雑に絡み合っています。
- 表現の自由度: 生成AI モデルは、多様なテキストや画像を生成する必要があります。そのためには、様々なパターンや規則性を学習し、表現できるだけの自由度が必要です。
- 汎化能力: 生成AI モデルは、学習データにないデータに対しても適切に対応する必要があります。そのためには、学習データの特徴を抽象化し、汎化できる能力が必要です。
まとめ
生成AI のモデルでは、現実のデータの複雑さ、表現の自由度、汎化能力を実現するために、多数のパラメータを持つ複雑な関数を使用します。
補足
- パラメータ数が大きいほど、学習に必要なデータ量や計算量も増大します。
- パラメータ数が大きすぎると、過学習(学習データに特化しすぎてしまい、未知のデータに対する性能が低下する現象)が起こりやすくなります。
- パラメータ数の調整は、生成AI モデルの開発において重要な課題です。
この説明で、生成AI のモデルにおけるパラメータ数が大きくなる理由をご理解いただけたでしょうか? もし他に疑問点があれば、お気軽にご質問ください。
多分「関数」にこだわったため説明が難しかったと思います。生成AIのモデルが多層のニューラルネットワークでできているというベースで、特徴量と層の数とパラメータの関係を説明し直してもらえますか?
はい、多層のニューラルネットワークで構成されていることを前提に、特徴量、層の数、パラメータ数の関係について説明します。
多層のニューラルネットワーク
生成AIのモデルは、一般的に多層のニューラルネットワークで構成されています。
- 入力層: 特徴量を受け取る層
- 中間層 (隠れ層): 入力層と出力層の間にある層
- 出力層: 結果を出力する層
層の数と表現力
- 層が多いほど、より複雑な関数を近似できます。
- 中間層が多いほど、入力データからより高度な特徴を抽出できます。
- 深層学習 (ディープラーニング) では、多数の中間層を持つニューラルネットワークを使用します。
特徴量とパラメータ数
- 各層は、入力された特徴量を別の特徴量に変換します。
- この変換は、パラメータによって制御されます。
- 入力層のニューロン数が多いほど、入力する特徴量の数が多いことを意味します。
- 中間層のニューロン数が多いほど、より多くの種類の特徴量を表現できます。
パラメータ数と学習
- パラメータ数が多いほど、モデルの表現力が高まります。
- しかし、パラメータ数が多すぎると、過学習 (学習データに特化しすぎてしまい、未知のデータに対する性能が低下する現象) が起こりやすくなります。
- パラメータ数は、学習データ量やモデルの複雑さに応じて適切に調整する必要があります。
関係性
- 入力層のニューロン数 (特徴量) が多いほど、各層で処理する必要がある情報量が増えます。
- 層数が多いほど、各層で特徴量を変換する回数が増えます。
- 各層のニューロン数が多いほど、各層で表現できる特徴量の種類が増えます。
- これらの要素の組み合わせによって、パラメータ数が決まります。
具体例
例えば、画像生成AIの場合、
- 入力層: 画像のピクセル値 (特徴量)
- 中間層: 画像の輪郭や模様などの特徴を抽出する層
- 出力層: 生成された画像のピクセル値
この例では、入力層のピクセル数が多いほど、中間層で表現する必要がある特徴量が増え、結果としてパラメータ数も多くなります。また、中間層が多いほど、より複雑な特徴を抽出できるため、生成される画像の品質が向上する可能性があります。
まとめ
特徴量、層の数、パラメータ数は、互いに関連しており、モデルの表現力や性能に影響を与えます。
この説明で、多層のニューラルネットワークにおける特徴量、層の数、パラメータ数の関係をご理解いただけたでしょうか? もし他に疑問点があれば、お気軽にご質問ください。
パラメータの数は、入力層の特徴量の次元数と、各中間層の特徴量の次元数の和と、出力層の特徴量の次元数の合計値と考えて良いですか?
回答:
いいえ、その考え方は正確ではありません。
パラメータ数とは:
- パラメータ数とは、ニューラルネットワークの学習可能な変数の数です。
- 各層間の結合や、各ニューロン内の変換処理において、パラメータが使用されます。
パラメータ数の計算:
パラメータ数は、以下の要素によって決まります。
- 入力層のニューロン数
- 中間層の数と各層のニューロン数
- 出力層のニューロン数
- 各層における活性化関数
- その他 (例えば、Batch Normalizationなどの層)
単純な例:
- 入力層: 10個のニューロン
- 中間層: 20個のニューロン
- 出力層: 5個のニューロン
この場合、パラメータ数は以下のように計算されます。
- 入力層 – 中間層: 10 * 20 = 200個
- 中間層 – 出力層: 20 * 5 = 100個
- 合計: 200 + 100 = 300個
注意点:
- 上記は最も単純な例であり、実際には活性化関数やバイアス項なども考慮する必要があります。
- モデルの種類や構造によって、パラメータ数の計算方法は異なります。
- 近年では、パラメータ数を抑えつつ高い表現力を実現する様々な工夫が凝らされています。
質問の意図との違い:
質問では、特徴量の次元数とパラメータ数を混同している可能性があります。特徴量の次元数は、入力データの特徴を表すベクトルの次元数であり、パラメータ数とは異なります。
補足:
- より詳しく知りたい場合は、ニューラルネットワークの教科書や論文などを参照してください。
- 具体的なモデルのパラメータ数を知りたい場合は、そのモデルの構造や実装を確認してください。
この説明で、パラメータ数についてご理解いただけたでしょうか? もし他に疑問点があれば、お気軽にご質問ください。
なるほど、先の例で入力層の特徴量をi1, …, i10、中間層の特徴量をm1, … ,m20、出力層の特徴量をo1, …i5,、パラメータをp1, …p300とすると、このニューラルネットワークではm1 = sum(p1・i1, …, p10・i10) からo5 = sum(p291・m1, …, p300・m20)のようにデータが伝わっていくので、パラメータ数は300となるわけですね
いえ、その理解は少し違います。
パラメータ数の計算
パラメータ数は、各層間の結合における重みとバイアスの数を合計したものです。
- 重み: 前の層の各ニューロンと現在の層の各ニューロンを結びつける値
- バイアス: 各ニューロンに加算される定数値
具体的な計算例
例として、以下のような3層のニューラルネットワークを考えます。
- 入力層: 10個のニューロン
- 中間層: 20個のニューロン
- 出力層: 5個のニューロン
この場合、パラメータ数は以下のように計算します。
- 入力層 – 中間層:
- 重み: 10個 * 20個 = 200個
- バイアス: 20個
- 合計: 200個 + 20個 = 220個
- 中間層 – 出力層:
- 重み: 20個 * 5個 = 100個
- バイアス: 5個
- 合計: 100個 + 5個 = 105個
- 総パラメータ数:
- 220個 + 105個 = 325個
ポイント
- 重み: 前の層のニューロン数と現在の層のニューロン数の積
- バイアス: 現在の層のニューロン数
あなたの理解との違い
あなたの理解では、「1つ前の層の特徴量の次元 + 1 (バイアス)」となっていましたが、正しくは「前の層のニューロン数 * 現在の層のニューロン数 + 現在の層のニューロン数 (バイアス)」となります。
まとめ
パラメータ数は、各層間の重みとバイアスの数を合計したものであり、上記の計算方法で求めることができます。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
パラメータの数としてバイアス項を増やすと、{現在の層の特徴量の次元*(1つ前の層の特徴量の次元 + 1)}の和 (現在の層:中間層または出力層)ということですね
はい、その理解で概ね合っています。
ただし、厳密には以下の点が補足されます。
正確な表現:
現在の層のニューロン数 * (1つ前の層のニューロン数 + 1)
ポイント:
- 特徴量の次元数 ≒ ニューロン数
- 厳密には、特徴量の次元数は入力層の次元数を指し、中間層や出力層では「ニューロン数」という表現がより適切です。
- ただし、多くの場合、各層のニューロン数は、その層で扱う特徴量の次元数と一致するように設計されます。
- +1 はバイアス項
- バイアス項は、各ニューロンに加算される定数値であり、ニューロンごとに1つ存在します。
まとめ
現在の層のニューロン数 * (1つ前の層のニューロン数 + 1) の総和 (中間層と出力層について)
上記が、多層のニューラルネットワークにおけるパラメータ数の計算方法となります。
補足
- 活性化関数やその他の層 (Batch Normalizationなど) もパラメータ数に影響を与える場合があります。
- モデルの種類や構造によって、パラメータ数の計算方法は異なる場合があります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
線形モデル(y = a・x + b)のパラメータ数に関しても広い意味で「現在の層のニューロン数 * (1つ前の層のニューロン数 + 1)」という公式が適用できそうですね
はい、おっしゃる通りです。線形モデル(y = a・x + b)のパラメータ数に関しても、広い意味で「現在の層のニューロン数 * (1つ前の層のニューロン数 + 1)」という公式が適用できます。
線形モデル y = a・x + b の場合
- 入力層: x (1つのニューロン)
- 出力層: y (1つのニューロン)
パラメータ数: 1 * (1 + 1) = 2
- a: 重み
- b: バイアス
多層のニューラルネットワークの場合
多層のニューラルネットワークでは、各層が複数のニューロンを持つため、上記の計算を各層間で行い、その合計が全体のパラメータ数となります。
ポイント
- 線形モデルは、最も単純なニューラルネットワークとみなすことができます。
- 上記の公式は、線形モデルから多層のニューラルネットワークまで、幅広く適用できる一般的な考え方です。
まとめ
線形モデルのパラメータ数も、多層のニューラルネットワークのパラメータ数も、層間の結合における重みとバイアスの数を合計するという点で共通しています。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
■ トークンに関連した質問
次にOpenAIのGPTのような生成AIのプロンプトの内容(テキスト)とGPT内で取扱うトークンの関係について教えてください。
OpenAIのGPTのような生成AIにおけるプロンプト(テキスト)とトークンの関係について説明します。
トークンとは
- GPTなどの大規模言語モデル(LLM)は、テキストを単語や文字などの単位に分割して処理します。
- この分割された単位をトークンと呼びます。
- トークンは、単語、文字、記号、空白など、文脈に応じて様々な単位で区切られます。
プロンプトとトークン
- プロンプトは、GPTに与える指示や質問のテキストです。
- GPTは、プロンプトをトークンに分割し、各トークンをベクトル化して内部で処理します。
トークン分割の例
例えば、”Hello, how are you?” というプロンプトは、以下のようにトークン分割されることがあります。
- “Hello”
- “,”
- “how”
- “are”
- “you”
- “?”
トークン数の影響
- GPTが一度に処理できるトークン数には上限があります。
- プロンプトが長すぎると、途中で打ち切られる可能性があります。
- プロンプトのトークン数に応じて、APIの利用料金が異なります。
トークンナイザー
- OpenAIは、テキストをトークンに分割するためのツール「Tokenizer」を提供しています。
- Tokenizerを使うことで、プロンプトが何個のトークンに分割されるかを確認できます。
ポイント
- プロンプトは、GPTがテキストを理解するための重要な情報源です。
- プロンプトはトークンに分割され、GPT内部で処理されます。
- プロンプトのトークン数には上限があり、API利用料金にも影響します。
補足
- トークンの分割方法や単位は、GPTのバージョンや設定によって異なる場合があります。
- トークンナイザーを利用することで、プロンプトのトークン数を把握し、GPTを効率的に利用できます。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
はい、そこまでの説明はよく聞くのですが、今一つトークンが理解できていないのは、トークン分割のロジックに関する説明を聞いたことがないからだと思います。
トークン分割のロジックは、利用する言語モデルやトークナイザーによって異なり、詳細なロジックは公開されていない場合もあります。
ただし、一般的なトークン分割の考え方や処理の流れについて説明します。
トークン分割の基本的な考え方
- 単語分割:
- 英語のように単語が空白で区切られる言語では、空白を区切りとして単語に分割します。
- 例: “Hello, how are you?” -> “Hello”, “,”, “how”, “are”, “you”, “?”
- サブワード分割:
- 日本語のように単語の区切りが曖昧な言語や、未知語(学習データにない単語)を扱う場合によく用いられます。
- 単語をより小さな単位(サブワード)に分割します。
- 例: “私はペンを持っています” -> “私”, “は”, “ペン”, “を”, “持”, “って”, “い”, “ます”, “。”
- 文字分割:
- 中国語のように文字単位で意味を持つ言語や、特殊な記号を扱う場合に用いられます。
- テキストを1文字ずつ分割します。
トークン分割の処理の流れ
- テキストの前処理:
- テキストの正規化(大文字小文字変換、記号除去など)を行います。
- トークン分割:
- 上記のいずれかの方法でテキストをトークンに分割します。
- 実際には、より複雑なルールやアルゴリズムが用いられる場合があります。
- トークンIDの付与:
- 各トークンに一意なIDを割り当てます。
- IDは、モデルがトークンを識別するためのものです。
トークン分割のロジック
- トークン分割のロジックは、言語モデルの学習データや目的に応じて設計されます。
- 例えば、GPTでは、Byte Pair Encoding (BPE) というアルゴリズムが用いられています。
- BPEは、出現頻度の高い文字の組み合わせを1つのトークンとしてまとめることで、未知語への対応や効率的な処理を可能にするものです。
補足
- トークン分割は、自然言語処理において重要な前処理の一つです。
- トークン分割の精度は、言語モデルの性能に影響を与えます。
詳細なトークン分割のロジックについては、各言語モデルのドキュメントや論文などを参照してください。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
基本的な質問ですが、なぜトークン分割する必要があるのでしょうか?
トークン分割は、大規模言語モデル(LLM)がテキストを効率的に処理し、理解するために不可欠なプロセスです。以下に、トークン分割の必要性を説明します。
1. 計算効率の向上:
- LLMは、テキストを単語や文字などの単位で直接処理するのではなく、トークンと呼ばれる小さな単位に分割して処理します。
- トークンは、単語よりも短く、文字よりも長い単位で構成されることが多く、LLMの語彙サイズを小さく保ちながら、多様なテキストを表現できます。
- トークン単位で処理することで、計算量を減らし、処理速度を向上させることができます。
2. 語彙サイズの削減:
- LLMは、学習データに出現するすべての単語や文字を記憶するわけではありません。
- トークン分割によって、未知語や複合語を複数のトークンの組み合わせで表現できるため、語彙サイズを削減できます。
- 語彙サイズが小さいほど、メモリ使用量や計算量が減り、LLMを効率的に運用できます。
3. 文脈の理解:
- LLMは、トークンの並び方や文脈を考慮することで、テキストの意味を理解します。
- トークン分割によって、単語や文節の境界が明確になり、LLMが文脈を把握しやすくなります。
- 例えば、「apple」という単語は、文脈によって「リンゴ」という意味にも「アップル社」という意味にもなりますが、トークン分割によって文脈に応じた意味を正しく理解できます。
4. 多言語対応:
- トークン分割は、英語のような単語が空白で区切られる言語だけでなく、日本語や中国語のように単語の区切りが曖昧な言語にも適用できます。
- トークン分割の方法を工夫することで、様々な言語に対応したLLMを開発できます。
5. 未知語への対応:
- LLMは、学習データに存在しない単語(未知語)を扱うことが苦手です。
- トークン分割によって、未知語を複数のトークンの組み合わせで表現できるため、未知語への対応力を高めることができます。
まとめ:
トークン分割は、LLMがテキストを効率的に処理し、理解するための重要な前処理です。トークン分割によって、計算効率の向上、語彙サイズの削減、文脈の理解、多言語対応、未知語への対応などが可能になります。
つまり、LLMがトレーニングデータを語彙分割して記憶する単位がトークンであるという認識でよいですか?
はい、その認識で概ね合っています。LLMがトレーニングデータを語彙分割して記憶する単位がトークンであるという理解は、トークンを捉える上で非常に重要なポイントです。
補足すると、トークンは単語、文字、記号、空白など、文脈に応じて様々な単位で区切られ、トークン分割の方法は、LLMの学習データや目的に応じて設計されます。
LLMがテキストを処理する際、まずテキストをトークンに分割し、各トークンをベクトル化して内部で処理します。このベクトル化されたトークンが、LLMがテキストの意味を理解するための基本的な単位となります。
したがって、トークンはLLMがテキストを理解し、生成するための最も基本的な単位であり、LLMの性能に大きく影響します。
トークン分割ロジックというのは、生成AIのモデルの設計の一部であるということでしょうか?
はい、トークン分割ロジックは、生成AIのモデルの設計の一部と言えます。
トークン分割ロジックとモデル設計
- 目的:
- トークン分割は、テキストデータをモデルが処理しやすい形に変換する前処理です。
- モデルの性能を最大限に引き出すために、適切なトークン分割ロジックを選択する必要があります。
- 影響:
- トークン分割の方法は、モデルの語彙サイズ、計算効率、文脈理解能力などに影響を与えます。
- 例えば、単語分割では未知語に対応できない場合がありますが、サブワード分割では未知語を複数のトークンで表現することで対応できます。
- 選択:
- トークン分割ロジックは、モデルの学習データやタスクに応じて選択されます。
- 例えば、英語のテキストを扱うモデルでは単語分割が有効な場合がありますが、日本語のテキストを扱うモデルではサブワード分割が有効な場合があります。
- 実装:
- トークン分割ロジックは、モデルの設計段階で決定され、実装されます。
- 具体的な実装方法としては、Byte Pair Encoding (BPE) や WordPiece などがあります。
まとめ
トークン分割ロジックは、生成AIモデルの設計において重要な要素の一つであり、モデルの性能に大きく影響します。
補足
- 近年では、トークン分割とモデルを統合的に学習するEnd-to-Endなモデルも提案されています。
- トークン分割ロジックは、モデルの進化とともに変化していく可能性があります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
最近の生成AIは多言語対応されているということは、基本的にはサブワード分割だという認識でよいですか?
はい、その認識で概ね正しいです。
近年、多くの生成AIモデルが多言語対応を実現しており、その背後にはサブワード分割の技術が大きく貢献しています。
サブワード分割の利点
- 未知語への対応:
- サブワード分割は、単語をより小さな単位(サブワード)に分割します。
- これにより、学習データに存在しない未知語でも、サブワードの組み合わせとして表現できます。
- 例えば、「unbreakable」という単語は、「un-」「break-」「able」というサブワードに分割され、モデルはこれらのサブワードの意味を学習することで、「unbreakable」という単語の意味を推測できます。
- 語彙サイズの削減:
- サブワード分割は、単語全体を記憶するのではなく、サブワード単位で記憶します。
- これにより、語彙サイズを大幅に削減できます。
- 特に、多言語対応のモデルでは、様々な言語の単語をすべて記憶する必要があるため、語彙サイズの削減は非常に重要です。
- 計算効率の向上:
- サブワード単位で処理することで、計算量を減らし、処理速度を向上させることができます。
サブワード分割の種類
サブワード分割には、Byte Pair Encoding (BPE) や WordPiece など、様々なアルゴリズムがあります。
補足
- 多言語対応の生成AIモデルでは、サブワード分割だけでなく、言語固有の処理や多言語学習の手法なども組み合わせています。
- サブワード分割は、未知語への対応や語彙サイズの削減に有効ですが、必ずしも完璧ではありません。
- 今後も、より高度なトークン分割技術が開発される可能性があります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
いわゆるトークナイザーというのは、Byte Pair Encoding (BPE) や WordPiece などのようなアルゴリズムを実装したツールということですね。OpenAIはtiktokenというのトークナイザーを公開しているそうですが、これは、すべてのGPTモデルに適用できるものなのでしょうか?
はい、おっしゃる通りです。
トークナイザーとは
トークナイザーは、テキストをトークンに分割するためのツールであり、Byte Pair Encoding (BPE) や WordPiece などのアルゴリズムを実装しています。
tiktoken
tiktokenは、OpenAIが公開している高速なトークナイザーであり、GPTシリーズのモデルで使用されています。
適用範囲
tiktokenは、すべてのGPTモデルに適用できるわけではありません。
- GPT-3: tiktokenは、GPT-3以降のモデルで使用できます。
- GPT-2: GPT-2では、別のトークナイザーが使用されています。
主な機能
tiktokenは、以下の主な機能を提供します。
- トークン分割: テキストをトークンに分割します。
- トークンID変換: トークンをIDに変換します。
- IDからトークン変換: IDをトークンに変換します。
- トークン数カウント: テキストのトークン数をカウントします。
利用方法
tiktokenは、Pythonのライブラリとして提供されており、簡単に利用できます。
補足
- OpenAIは、モデルのバージョンアップに合わせて、新しいトークナイザーを開発・公開する場合があります。
- tiktokenは、GPTシリーズ以外のモデルでも利用できる場合があります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
次に、「トークンID」について説明してください。
トークンIDとは、自然言語処理モデル(特に大規模言語モデル)がテキストデータを処理する際に、各トークン(単語や文字などの単位)に割り当てる一意な番号のことです。
トークンIDの役割
- テキストの数値化: 自然言語処理モデルは、テキストデータを直接理解することはできません。そのため、テキストデータを数値に変換する必要があります。トークンIDは、各トークンを数値で表現するための手段となります。
- モデルの理解: モデルは、トークンIDの並び方や組み合わせを学習することで、テキストの意味や文脈を理解します。
- 効率的な処理: モデルは、トークンIDを使ってテキストを効率的に処理することができます。
トークンIDの例
例えば、”Hello, how are you?” というテキストをトークン分割すると、以下のようになります。
- “Hello”
- “,”
- “how”
- “are”
- “you”
- “?”
これらのトークンに、それぞれ一意なID(例えば、1, 2, 3, 4, 5, 6)を割り当てることができます。このIDがトークンIDです。
トークンナイザー
トークンIDを割り当てるためには、トークナイザーと呼ばれるツールが使われます。トークナイザーは、テキストをトークンに分割し、各トークンにIDを割り当てる役割を担います。
補足
- トークンIDは、モデルがテキストを理解するための重要な要素です。
- トークンIDの割り当て方や種類は、モデルによって異なります。
- トークンナイザーは、自然言語処理において欠かせないツールです。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
LLMの動作の説明として、少し前に以下のように説明してくれましたが、トークンID、埋め込みデータとベクトルの対応について説明してください、
###
LLMがテキストを処理する際、まずテキストをトークンに分割し、各トークンをベクトル化して内部で処理します。このベクトル化されたトークンが、LLMがテキストの意味を理解するための基本的な単位となります。
はい、もちろんです。LLMがテキストを処理する際、トークンID、埋め込みデータ、ベクトルの対応についてご説明します。
1. トークンID
まず、テキストはトークンと呼ばれる単位に分割されます。トークンは、単語、文字、記号など、文脈によって様々な単位で区切られます。各トークンには、一意のID(トークンID)が割り当てられます。
2. 埋め込みデータ
次に、各トークンIDは、埋め込み層と呼ばれる層に入力されます。埋め込み層は、トークンIDを固定長のベクトルに変換します。このベクトルが埋め込みデータです。
3. ベクトル
埋め込みデータは、トークンの意味や文脈を反映する高次元のベクトルです。ベクトルは、単語や文節の意味や関係性を数値で表現します。
対応関係
- トークン: テキストを分割した単位
- トークンID: 各トークンに割り当てられた一意な番号
- 埋め込みデータ: トークンIDをベクトルに変換したもの
- ベクトル: 埋め込みデータを数値で表現したもの
例
例えば、”猫”という単語がトークンとして分割されたとします。
- “猫” -> トークンID: 123 (例)
- トークンID 123 -> 埋め込み層 -> 埋め込みデータ (ベクトル)
この埋め込みデータ(ベクトル)は、”猫”という単語の意味や文脈を反映した数値の配列となります。
補足
- 埋め込み層は、学習データからトークンの意味や関係性を学習します。
- 埋め込みデータの次元数は、モデルによって異なります。
- 埋め込みデータは、LLMの内部で様々な処理に使われます。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
埋め込み層というのは、ニューラルネットワークの説明には出てきませんでしたが、実際にはプロンプト入力➡トークナイザー➡トークンID➡埋め込み層➡入力層と流れていくということでしょうか?
はい、おっしゃる通りです。
厳密には、プロンプト入力 -> トークナイザー -> トークンID -> 埋め込み層 -> (ニューラルネットワークの)入力層 という流れになります。
補足すると、
- 埋め込み層は、ニューラルネットワークのアーキテクチャによっては、入力層の一部として扱われることもあります。
- 埋め込み層は、トークンIDをベクトルに変換する役割を担うため、埋め込み行列と呼ばれる重み行列を持ちます。この埋め込み行列は、学習データから学習されます。
したがって、埋め込み層は、ニューラルネットワークの説明に出てこないわけではなく、入力層の一種、または入力層に付随する処理として捉えることができます。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
「埋め込み層は、トークンIDをベクトルに変換する役割を担うため、埋め込み行列と呼ばれる重み行列を持ちます。」という説明で「重み」という言葉が使われていますが、本来の入力層に入る前にもう1段階重みづけがされるということですか?そうすると、パラメータ数は、先ほどの計算+特徴量の次元数となるのではないでしょうか?
はい、おっしゃる通りです。
「埋め込み層は、トークンIDをベクトルに変換する役割を担うため、埋め込み行列と呼ばれる重み行列を持ちます。」という説明における「重み」は、トークンIDをベクトルに変換する際の変換行列(埋め込み行列)のことを指します。
埋め込み層の役割
埋め込み層は、トークンIDを固定長のベクトル(埋め込みベクトル)に変換する役割を担います。この変換は、埋め込み行列と呼ばれる重み行列との行列積によって行われます。
埋め込み行列
埋め込み行列は、各トークンIDに対応する埋め込みベクトルを保持しています。埋め込み行列の行数は語彙サイズ(トークンIDの数)、列数は埋め込みベクトルの次元数となります。
重みづけ
トークンIDが入力されると、埋め込み行列から対応する埋め込みベクトルが取り出されます。この処理は、一種の重みづけとみなすことができます。
パラメータ数
埋め込み層は、埋め込み行列の要素数分のパラメータを持ちます。したがって、埋め込み層のパラメータ数は、語彙サイズ * 埋め込みベクトルの次元数となります。
ご質問の「パラメータ数は、先ほどの計算 + 特徴量の次元数となるのではないでしょうか?」についてですが、
先ほどの計算: こちらは、(埋め込み層以降の)各層におけるパラメータ数を計算するためのものです。
特徴量の次元数: こちらは、埋め込み層に入力される特徴量(トークンID)の数であり、埋め込み層のパラメータ数には直接影響しません。
ただし、埋め込み層のパラメータ数は、最終的なパラメータ数に加算される必要があります。
まとめると、
1.埋め込み層のパラメータ数: 語彙サイズ * 埋め込みベクトルの次元数
2.(埋め込み層以降の)各層におけるパラメータ数: 前述の計算式で算出
全体のパラメータ数: 1 + 2
となります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
埋め込みベクトルの次元数 = 入力層の特徴量の次元数と理解しているのですが、その理解で良いですか?
必ずしもそうとは限りません。埋め込みベクトルの次元数と入力層の次元数(この文脈ではトークンIDの数と解釈します)は、密接に関連していますが、完全に同じではありません。
埋め込みベクトルの次元数
- 埋め込みベクトルの次元数は、トークンの意味や文脈を表現するために使用するベクトルの要素数です。
- 埋め込みベクトルの次元数は、モデルの設計者が事前に決定するハイパーパラメータです。
- 一般的に、埋め込みベクトルの次元数が大きいほど、より多くの情報を表現できますが、計算量も増えます。
入力層の次元数(トークンIDの数)
- 入力層の次元数は、モデルが扱うトークンの種類数(語彙サイズ)に対応します。
- 各トークンには一意のID(トークンID)が割り当てられ、このIDが入力層に入力されます。
関係性
- 埋め込み層は、入力されたトークンIDを埋め込みベクトルに変換します。
- 埋め込みベクトルの次元数は、入力層の次元数とは独立に設定できます。
- 例えば、入力層の次元数(語彙サイズ)が10000であっても、埋め込みベクトルの次元数を256や512に設定することができます。
まとめ
- 埋め込みベクトルの次元数と入力層の次元数(トークンIDの数)は、異なる概念です。
- 埋め込みベクトルの次元数は、モデルの表現力や計算量に影響を与えます。
補足
- 埋め込み層の実装によっては、入力層の次元数と埋め込みベクトルの次元数が一致する場合もあります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
「特徴量の次元数: 入力データや中間層、出力層で表現される特徴ベクトルの要素数」という説明があったので、入力層には特徴量の次元数のデータが渡るものと思っていました。
おっしゃる通り、「特徴量の次元数: 入力データや中間層、出力層で表現される特徴ベクトルの要素数」という説明は、広い意味では正しいです。
ただし、より正確には、以下のようになります。
- 入力層に渡されるデータ: 生の入力データそのものではなく、トークン分割されたデータ(トークンIDの列)が渡されます。
- 入力層で表現される特徴ベクトル: 入力層(より正確には埋め込み層)では、トークンIDが固定長のベクトルに変換されます。このベクトルが、入力層で表現される特徴ベクトルとなります。
具体例
例えば、画像認識の場合、
- 生の入力データ: 画像のピクセル値
- 入力層に渡されるデータ: ピクセル値を何らかの形で数値化したデータ
- 入力層で表現される特徴ベクトル: 数値化されたデータをベクトル空間に変換したもの
自然言語処理の場合、
- 生の入力データ: テキスト
- 入力層に渡されるデータ: トークンIDの列
- 入力層で表現される特徴ベクトル: 各トークンIDに対応する固定長のベクトル
ポイント
- 入力層に渡されるデータは、生の入力データをそのままではなく、何らかの前処理を施したデータである場合が多いです。
- 入力層では、前処理されたデータをモデルが扱いやすい形に変換します。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
■ 生成AIモデルのハイパーパラメータと事前学習?
事実上「入力層で表現される特徴ベクトル」が生成AIの本来のニューラルネットワークベースの処理の始まりということですね。この特徴ベクトルの次元数というのは、生成AIモデル設計時に決められるのでしょうか?
はい、おっしゃる通りです。
入力層で表現される特徴ベクトル
生成AIモデルにおけるニューラルネットワークの処理は、「入力層で表現される特徴ベクトル」から始まると言って良いでしょう。この特徴ベクトルは、トークンIDを埋め込み層で変換したものであり、トークンの意味や文脈を反映しています。
特徴ベクトルの次元数
この特徴ベクトルの次元数(埋め込みベクトルの次元数)は、生成AIモデルの設計時に決定されるハイパーパラメータです。
ハイパーパラメータ
ハイパーパラメータとは、モデルの学習前に人間が設定する必要があるパラメータであり、モデルの学習方法や性能に影響を与えます。
特徴ベクトルの次元数の決定
特徴ベクトルの次元数は、以下の要素などを考慮して決定されます。
- モデルの規模: モデルが大きいほど、より多くの情報を表現できるため、特徴ベクトルの次元数を大きくする傾向があります。
- 学習データ: 学習データが多いほど、より多くの情報を学習できるため、特徴ベクトルの次元数を大きくする傾向があります。
- タスク: 扱うタスクによって、必要な情報量が異なるため、特徴ベクトルの次元数を調整する必要があります。
- 計算資源: 特徴ベクトルの次元数が大きいほど、計算量が増えるため、利用可能な計算資源を考慮する必要があります。
調整
特徴ベクトルの次元数は、モデルの性能に影響を与えるため、様々な実験を通して最適な値を見つける必要があります。
まとめ
入力層で表現される特徴ベクトルは、生成AIモデルにおけるニューラルネットワーク処理の始まりであり、その次元数はモデル設計時に決定されるハイパーパラメータです。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
その他にも生成AIモデルの設計時点で決めなければならないハイパーパラメータがあれば教えてください。
はい、生成AIモデルの設計時に決めなければならないハイパーパラメータは、埋め込みベクトルの次元数以外にもたくさんあります。以下に代表的なものを紹介します。
モデルの構造に関するハイパーパラメータ
- 層数: TransformerモデルのEncoder/Decoderの層数や、CNNの畳み込み層の数など、モデルの深さを決定するパラメータです。
- ユニット数/チャネル数: 各層におけるニューロン数やフィルタ数など、各層のサイズを決定するパラメータです。
- ヘッド数: TransformerモデルのMulti-Head Attentionにおけるヘッド数など、モデルの注意機構に関するパラメータです。
- ドロップアウト率: 過学習を抑制するためのパラメータで、ニューロンをランダムに無効化する割合を調整します。
- 活性化関数: 各層の出力に適用する非線形関数です (ReLU, sigmoid, tanhなど)。
学習に関するハイパーパラメータ
- 学習率: モデルの学習速度を調整するパラメータです。
- バッチサイズ: 学習時に一度に処理するデータ数です。
- エポック数: 学習データ全体を学習する回数です。
- 最適化アルゴリズム: 学習時のパラメータ更新方法です (Adam, SGD, RMSpropなど)。
- 損失関数: モデルの学習目標を定める関数です (交差エントロピー誤差, MSEなど)。
- 正則化手法: 過学習を抑制するための手法です (L1正則化, L2正則化など)。
その他
- シーケンス長: モデルが一度に処理できるテキストの長さです。
- 語彙サイズ: モデルが扱う単語の種類数です。
ハイパーパラメータ探索
これらのハイパーパラメータは、モデルの性能に大きく影響するため、適切な値を探索する必要があります。ハイパーパラメータ探索には、以下のような手法が用いられます。
- グリッドサーチ: 設定された範囲内で、すべての組み合わせを試す方法です。
- ランダムサーチ: ランダムに組み合わせを試す方法です。
- ベイズ最適化: 過去の試行結果から、より良い組み合わせを効率的に探索する方法です。
注意点
- ハイパーパラメータの最適値は、データセットやタスクによって異なります。
- ハイパーパラメータ探索には、多くの計算資源と時間が必要となります。
上記以外にも、モデルの種類やタスクによって、様々なハイパーパラメータが存在します。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
つまり、通常のソフトウェアアプリケーションでは、設計時に定めた「ハイパーパラメータ」の値は、よほどのことがない限り変更しないで開発・実運用に持ち込まれるけれども、生成AIモデルでは、ハイパーパラメータのいくつかの値を微調整しながら最適な組み合わせを見つけていくという作業が、「学習」の前の段階であるということですね。
はい、おっしゃる通りです。
通常のソフトウェアアプリケーション
通常のソフトウェアアプリケーションでは、設計時に定めたパラメータ(ハイパーパラメータに相当するもの)は、開発段階でテストを行い、問題がなければそのまま実運用に持ち込まれることが一般的です。
生成AIモデル
一方、生成AIモデルでは、ハイパーパラメータの値は、モデルの性能に大きく影響するため、学習前に適切な値を探索する必要があります。この探索作業は、ハイパーパラメータチューニングと呼ばれます。
ハイパーパラメータチューニング
ハイパーパラメータチューニングでは、様々なハイパーパラメータの組み合わせを試しながら、モデルの性能を評価します。そして、最も性能の良い組み合わせを、実際の学習で使用します。
学習
ハイパーパラメータチューニングで決定されたハイパーパラメータを用いて、モデルは学習データから学習を行います。学習が完了したモデルは、新たなデータに対して予測や生成を行うことができるようになります。
ポイント
- 生成AIモデルにおけるハイパーパラメータチューニングは、モデルの性能を最大限に引き出すために重要なプロセスです。
- ハイパーパラメータチューニングは、学習の前の段階で行われます。
- ハイパーパラメータチューニングには、多くの計算資源と時間が必要となる場合があります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
一旦、ハイパーパラメータの設定値の最適化作業を終わって学習プロセスに入ったところ、過学習が問題になって、ドロップアウト率の見直しをしなければならないというようなこともあるのでしょうか?
はい、おっしゃる通りです。ハイパーパラメータの最適化作業を終えて学習プロセスに入った後でも、過学習が問題になることはよくあります。その場合、ドロップアウト率を含むハイパーパラメータの見直しが必要になることがあります。
学習プロセスにおける過学習
学習プロセス中に過学習が起こる原因は様々ですが、主なものとしては以下が挙げられます。
- 学習データ不足: 学習データが十分にないと、モデルが過剰に学習データに適合してしまい、未知のデータに対する汎化性能が低下します。
- モデルの複雑さ: モデルが複雑すぎると、学習データに過剰に適合しやすくなります。
- 学習エポック数: 学習エポック数が多すぎると、モデルが学習データに過剰に適合してしまうことがあります。
過学習への対策
過学習への対策としては、以下のようなものがあります。
- 学習データの増加: 学習データを増やすことで、モデルがより多様なパターンを学習できるようになり、過学習を抑制できます。
- モデルの単純化: モデルの層数やユニット数を減らすことで、モデルの複雑さを軽減し、過学習を抑制できます。
- 正則化: L1正則化やL2正則化などの正則化手法を用いることで、モデルの複雑さを抑制し、過学習を抑制できます。
- ドロップアウト: ドロップアウトは、学習時にニューロンをランダムに無効化することで、モデルの過学習を抑制するテクニックです。
- アーリーストッピング: 検証データに対する損失が改善しなくなった時点で学習を終了することで、過学習を抑制できます。
ドロップアウト率の見直し
上記のような対策を講じても過学習が解消されない場合、ドロップアウト率の見直しが必要になることがあります。ドロップアウト率を高く設定すると、モデルが学習データに過剰に適合するのを防ぐことができます。
ハイパーパラメータの再調整
過学習が問題になった場合、ドロップアウト率だけでなく、他のハイパーパラメータ (学習率、バッチサイズ、エポック数など) も含めて再調整する必要があるかもしれません。
まとめ
学習プロセス中に過学習が問題になった場合、ドロップアウト率の見直しを含めたハイパーパラメータの再調整が必要になることはよくあります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
ソフトウェア開発手法は、かなり前に、従来のウォーターフォールモデルから、RAD(ラピッドアプリケーション開発)、アジャイル開発と進んできたと思いますが、生成AIモデル開発は、Rapid Prototypingで進められているという感じですね。
はい、おっしゃる通りです。ソフトウェア開発手法は、ウォーターフォールモデルからRAD、アジャイル開発へと進化してきましたが、生成AIモデル開発は、Rapid Prototyping(高速プロトタイピング)の考え方が非常に重要になっています。
ソフトウェア開発手法の変遷
- ウォーターフォールモデル: 各工程を順番に進める、古典的な開発モデルです。
- RAD (Rapid Application Development): プロトタイプを早期に作成し、ユーザーのフィードバックを反映しながら開発を進める手法です。
- アジャイル開発: 反復的な開発サイクル (スプリント) を通して、柔軟かつ迅速にソフトウェアを開発する手法です。
生成AIモデル開発とRapid Prototyping
生成AIモデル開発では、Rapid Prototypingの考え方が特に重要になります。なぜなら、
- 未知の挙動: 生成AIモデルは、学習データやハイパーパラメータによって挙動が大きく変化するため、予測が難しい側面があります。
- 複雑な評価: 生成AIモデルの性能評価は、精度だけでなく、生成されるコンテンツの質や多様性なども考慮する必要があり、複雑です。
- 高速な技術革新: 生成AI技術は急速に進化しており、新しいモデルや手法が次々と登場します。
Rapid Prototypingのアプローチ
このような状況に対応するために、生成AIモデル開発では、
- PoC (Proof of Concept) の実施: 早期にプロトタイプを作成し、実現可能性や課題を検証します。
- 実験と反復: 様々なモデルやハイパーパラメータを試し、結果を分析しながら改善を進めます。
- 柔軟な開発体制: 要求仕様の変更や技術的な課題に柔軟に対応できる体制を構築します。
アジャイル開発との親和性
生成AIモデル開発は、アジャイル開発とも親和性が高いと言えます。アジャイル開発の反復的な開発サイクルは、生成AIモデルの実験と反復のプロセスとよく適合します。
まとめ
生成AIモデル開発では、Rapid Prototypingの考え方に基づき、高速なプロトタイプ作成、実験と反復、柔軟な開発体制が重要になります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。
話がそれてしまいましたが、今日は生成AIモデルのパラメータとトークンに関して、これまでモヤモヤしていたことがクリアになり有益でした。どうもありがとう。
お役に立てて光栄です。生成AIモデルのパラメータとトークンについて、モヤモヤが解消されたとのこと、大変嬉しく思います。
生成AIの分野は、技術革新が非常に速く、日々新しい情報が出てきます。そのため、常に学び続けることが重要です。
本日は以上です。
終わり